『トドメの接吻』は過去の恋愛ドラマとどう違う? 山崎賢人を取り巻く多角関係の異質さ

恋愛ドラマと一線を画す『トドメの接吻』

 布袋(宮沢氷魚)に刺されて死んでしまった旺太郎を救うため、美尊にキスをした宰子が「あなたへの思いを残したまま会わせてあげたかった」と告げ、旺太郎が宰子を抱きしめたシーンは、とりわけ切ないものだった。あれほど繰り返してきた“キス”ができないもどかしさ、そして、そこに本当の愛を感じたからである。ドラマ開始時、旺太郎と宰子の“キスのないハグ”に切なさを感じるなんて、誰が想像しただろう。そのトキメキと心苦しさは、まさに『トドメの接吻』でしか味わえない不思議な感情だった。

山崎賢人/『トドメの接吻』第9話より (c)日本テレビ
門脇麦、新田真剣佑/『トドメの接吻』第9話より (c)日本テレビ
小市慢太郎、山崎賢人、新木優子/『トドメの接吻』第9話より (c)日本テレビ
山崎賢人、新木優子/『トドメの接吻』第9話より (c)日本テレビ
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山崎賢人/『トドメの接吻』第9話より (c)日本テレビ
門脇麦、新田真剣佑/『トドメの接吻』第9話より (c)日本テレビ
小市慢太郎、山崎賢人、新木優子/『トドメの接吻』第9話より (c)日本テレビ
山崎賢人、新木優子/『トドメの接吻』第9話より (c)日本テレビ
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 今までにない恋愛ドラマとして、じわじわと魅力があぶり出されてきた『トドメの接吻』。美尊に愛され、目的達成まであと一歩に迫る旺太郎だが、並樹グループ社長の座は、彼にとって幸せのゴールなのか。それが実現したとして、旺太郎はその先にある何を手に入れようとしているのか。ここに来て悪役を一手に引き受ける、尊氏の本音と思惑も予測不能。さらに、命を狙われケガをしながらも、誰よりも一途に美尊を愛し続ける長谷部(佐野勇斗)の逆転ホームランはありえるのか。 

佐野勇斗、新木優子/『トドメの接吻』第8話より (c)日本テレビ

 王道パターンに当てはまらない物語は、ドラマの結末はもちろん、どんな結末がハッピーエンドなのかすらわからない。その不透明さもまたラブストーリーとしての異質さであり、視聴者を惹き付ける大きな理由といえそうだ。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。5歳・7歳の息子を持つ2児の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter

■放送情報
『トドメの接吻』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:山崎賢人、門脇麦、新田真剣佑、新木優子、佐野勇斗、宮沢氷魚、堀田茜、唐田えりか、山本亜依、志尊淳、菅田将暉
脚本:いずみ吉紘
音楽:Ken Arai
チーフプロデューサー:西憲彦
プロデューサー:鈴木亜希乃、渡邉浩仁、岡宅真由美
演出:菅原伸太郎、明石広人
(c)日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/todomenokiss/index.html

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