山田裕貴、中村倫也、松本まりかの過剰さがもたらすバランス 『ホリデイラブ』が描く虚構を読む

 かつては昼ドラには、こうしたドロドロした虚構の世界を描くものが存在していた。今もテレビ朝日は昼にドラマを始めたが、かつての昼ドラの要素とは違うものを描こうとしている。そんな今、23時台がこうしたドラマの放送枠になろうとしているのだろうか。

 実は、主人公の杏寿を演じる仲里依紗や夫の純平を演じる塚本高史は、そこまでデフォルメしたキャラクターを演じているわけではない。リアルな杏寿が、虚構性の強い脇役に翻弄されているとうことも、ドラマを俯瞰して観られる所以かもしれない。

 ここに出演している脇を固める俳優陣は、リアリティを追求して演じることもできる人たちだが、このドラマでは少しデフォルメした形で見せることで、ドロドロの作品を、「こんなことあったら嫌だな」、「でもこの先、どう決着をつけるんだろうな?」と突き放して見せるバランスをとっているのかもしれない。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
金曜ナイトドラマ『ホリデイラブ』
テレビ朝日系列にて毎週金曜23:15〜
出演:仲里依紗、塚本高史、中村倫也、松本まりか、山田裕貴、飯島寛騎、岡田龍太郎、壇蜜、平岡祐太
脚本:渡辺千穂
音楽:横山克、Evan Call
演出:松田礼人(ドリマックス・テレビジョン)、山本大輔(アズバーズ)、 小野浩司(MMJ)
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/holidaylove/

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