ジョン・ウー監督が語る、『マンハント』キャスティングの背景 「福山雅治さんは感受性の強さ」

『マンハント』ジョン・ウー監督インタビュー

「アクションの演出は、ミュージカルの影響を受けている」

ーー大胆で美しいアクションシーンも記憶に鮮明に残っています。特に、女性のアクションがキレキレで見惚れてしまったのですが、ドーン役はあなたの愛娘が演じていますよね。どのようなことを意識してキャスティングや演出を行ったのでしょうか?

ジョン・ウー:キャスティングする際に最も重要視したのは、演技力です。アクションができるかどうかはその次ですね。アクション映画を撮るからといって、アクションスターを使わなければいけないわけではありません。黒澤明監督の作品が素晴らしかったのは、爽快なアクションに加えて、そのアクションを支えるストーリーもしっかりしているからだと私は考えています。

ーーアクションの演出面についても教えてください。

ジョン・ウー:私はミュージカルが大好きで、演出面において、その影響を受けている部分が多々あります。たとえば、アクションは一つひとつ流れるような美しさを意識しています。あとは、リズミカルな音楽も好きなため、そういった楽曲と合う動きになるように演出していますね。

ーーあなたの作品はアクションのバリエーションが豊かで、役者によってもそれぞれ異なった見せ方をしている印象です。

ジョン・ウー:私は役者それぞれの特徴をよく観察して、おのおのに合ったアクションシーンを描くことを心がけています。どのようにしたら一番カッコよく、そして美しく撮れるのかを常に考え、一人ひとりに合わせた銃や武器、そのほか戦いのツールを選んでいます。お芝居が上手い方が必ずしもアクションをこなせるわけではないので、私はまず役者さんに、好きなスポーツがあるかどうかを尋ねるんです。テニスや水泳、ダンスなど……好きなスポーツを聞いた上で、それに合わせたアクションシーンをいろいろとデザインしていきます。それと、掌の大きさや指の長さなども考慮して、何を持たせるのが最も適しているのかを一人ひとり判断しているんです。

(取材・文・写真=戸塚安友奈)

■公開情報
『マンハント』
TOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー中
主演:チャン・ハンユー、福山雅治、チー・ウェイ、ハ・ジウォン
友情出演:國村隼
特別出演:竹中直人、倉田保昭、斎藤工
共演:アンジェルス・ウー、桜庭ななみ、池内博之、TAO、トクナガクニハル、矢島健一、田中圭、ジョーナカムラ、吉沢悠
監督:ジョン・ウー
撮影監督:石坂拓郎
美術監督:種田陽平
音楽:岩代太郎
アクション振付:園村健介
衣装デザイン:小川久美子
原作 西村寿行『君よ憤怒の河を渉れ』/徳間書店刊 および 株式会社KADOKAWAの同名映画
(c)2017 Media Asia Film Production Limited All Rights Reserved
公式サイト:http://gaga.ne.jp/manhunt/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる