森川葵、川栄李奈、松岡茉優……演じ分ける“柔軟性”で躍進する若手女優たち

主役と脇を演じ分ける若手女優の躍進

川栄李奈

(c)2018「嘘を愛する女」製作委員会
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 彼女らと同じく2番手に抜群にハマるのが、元AKB48のメンバーでアイドル出身の川栄。新里今宵役を務めた『僕たちがやりました』(カンテレ、フジテレビ系)での好演が記憶に新しい川栄だが、現在公開中の映画『嘘を愛する女』では、長澤まさみを相手に、文字通りの“2番手”を買って出る。

 とはいえ、劇中の由加利(長澤まさみ)・桔平(高橋一生)カップルを脅かすような存在ではなく、桔平に対して一方的に想いを募らせ、果てはストーカーまがいの行動にまで出てしまう女子大生・心葉という役どころだ。桔平のことを想う瞬間に愛らしいはにかんだ笑顔を見せたかと思えば、由加利に対する鋭い物言いで真を突き、心を揺さぶりかける。単なる脇役なだけでなければ、恋愛において2番手なだけでもなく、映画における2番手的ポジションを全うし、物語が転がるきっかけをつくる役割を見事に果たすのである。『亜人』につづき、本作でも少しばかりアクションを披露しているが、アイドル経験の活きたキレある動きは観ていて爽快だった。

 スタート地点こそ違えど、いまや日本映画界になくてはならない存在の彼女たち。今後の松岡は『blank13』『ちはやふる -結び-』、そして是枝裕和監督の新作への参加も発表されたばかりで大きな期待がかかる。放送中のドラマを引き続き楽しみたい森川は『リバーズ・エッジ』『OVER DRIVE』と、いずれも話題の若手俳優たちが集う中で、作品の強度を高める働きとなるのは間違いないだろう。『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』でまたも“2番手”を演じる川栄は、『恋のしずく』でついに映画初主演を務める。

 それぞれ個性を放ちつつも、主役でも脇でも柔軟にやってのける彼女たちだが、つまりはそれぞれの作品においての自分の“立つべき位置”、あるいは“あるべき姿”を掴んでいるということ。松岡、森川、川栄は、奇しくも三者ともに1995年生まれの同世代。彼女たちがさらに切磋琢磨し、作品の中での彼女たち同様にいきいきと、日本映画を盛り上げる役割を担っていってほしい。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。

■公開情報
『勝手にふるえてろ』
新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほかにて公開中
原作:綿矢りさ著『勝手にふるえてろ』文春文庫刊
監督・脚本:大九明子
出演:松岡茉優、渡辺大知(黒猫チェルシー)、石橋杏奈、北村匠海(DISH//)他
配給:ファントム・フィルム
(c)2017映画「勝手にふるえてろ」製作委員会
公式サイト:http://furuetero-movie.com/

■放送情報
ドラマ『賭ケグルイ』
MBS、TBS深夜枠ほかにて放送中
<MBS>毎週日曜深夜0:50~放送
<TBS>毎週火曜深夜1:28~放送 
Netflixにて独占配信中
出演:浜辺美波、高杉真宙、森川葵
監督:英勉
原作:河本ほむら・尚村透(掲載 月刊『ガンガンJOKER』スクウェア・エニックス刊)
主題歌:BIGMAMA/「Strawberry Feels」
オープニングテーマ:Re:versed/「一か八か」
(c)河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・ドラマ「賭ケグルイ」製作委員会・MBS
公式サイト:https://kakegurui.jp/

■公開情報
『嘘を愛する女』
全国公開中
監督:中江和仁
脚本:中江和仁、近藤希実
配給:東宝
製作:「嘘を愛する女」製作委員会
制作プロダクション:ROBOT
出演:長澤まさみ、高橋一生、DAIGO、川栄李奈、黒木瞳、吉田鋼太郎
(c)2018「嘘を愛する女」製作委員会
公式サイト:http://usoai.jp/​

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