“キラキラ映画”の枠超えたキラキラ感! 中島健人ら主演『みせコド』が少女漫画実写で特別なワケ

『みせコド』が少女漫画実写で特別なワケ

 そんな中、平と中島の2人のキャラクターが、彼らのイメージのままであるということで、現実と夢を繋ぐ入り口をしっかりと作り出している。初日舞台挨拶の場で「リアル香琳」と言われるほど、他の作品では見せてこなかった表情で輝く平。そこに『高校デビュー』や『ヒロイン失格』、最近では『あさひなぐ』と『トリガール!』でコメディエンヌを発掘する手腕を持つ英勉監督のセンスでさらに磨きがかかる。

 また、ジャニーズ屈指の王子様としておなじみの中島も、これまでは不良少年を演じた『BAD BOYS J』に、ちょっと冴えない高校生を演じた『銀の匙 Silver Spoon』、ドSキャラが際立つ『黒崎くんの言いなりになんてならない』と大人しく控えめな『心が叫びたがってるんだ。』と、いずれも“ケンティー”らしさを抑えていただけに、本作での優しくて適度に裏があるキャラクターは、まさに彼のイメージにぴったりと符合するのだ。

 非リアリティーに溢れた物語、現実に近いキャラクター設定が絶妙にバランスを保ち続けることで、少女漫画としては古典的でありながら、“キラキラ映画”としてはまったく新しいスタイルの映画となった本作。今後も多くの作品が映画化されるであろう“キラキラ映画”界に、新たな潮流を生み出すことになるのではないだろうか。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■公開情報
『未成年だけどコドモじゃない』
全国東宝系にて公開中
監督:英勉
出演:中島健人(Sexy Zone)、平祐奈、知念侑李(Hey! Say! JUMP)
脚本:保木本佳子
原作:水波風南「未成年だけどコドモじゃない」(Sho-Comiフラワーコミックス刊)
配給:東宝
(c)2017 「みせコド」製作委員会 (c)2012 水波風南/小学館
公式サイト:misekodo.jp

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