『光』大森立嗣監督が明かす、映画作りの姿勢 「単純な足し算になるのは嫌」

『光』大森立嗣監督インタビュー

 「分かりづらい映画があってもいい」

―音楽に加えて、冒頭から最後まで印象的に使われている“木”や、途中で導入される岡本太郎の作品も強烈な印象を残します。それらにはどういった意図があったのでしょうか。

大森:人間の生命力を本作のテーマにしていました。無秩序なもの、理屈ではなかなか言えないものを映画にしたいという思いがあり、その延長線上にあるモチーフとして木を選びました。そして、岡本太郎さんの作品にも理屈では表せないパワーのようなものがある。それらを筋道立てて映画にしたというよりも、放り込んで役者の演技とぶつかり合う様を観たかった。単純な足し算になるのは嫌で、乱反射していくような形になればいいなと。時々、こういう分かりづらい映画があってもいいんじゃないかと思うんです。

―劇場公開作では『まほろ駅前狂騒曲』『セトウツミ』とコメディ色が強い作品が続いていただけに、本作は大きな挑戦だったと思います。

大森:前作の『セトウツミ』みたいな娯楽作品を撮ることも楽しいのですが、それだけだとウズウズしてくるものがあるんです。映画というものが娯楽であればいいと思う一方で、何か強烈な体験を味わう、新しい何かを発見するものでもあってほしい。その意味で、本作がこれまで感じたことのないものを届けられる一作になっていればうれしいですね。

(取材・文=石井達也)

■公開情報
『光』
新宿武蔵野館、有楽町スバル座ほか全国順次公開中
出演:井浦新、瑛太、長谷川京子、橋本マナミ、南果歩、平田満
監督・脚本:大森立嗣
原作:三浦しをん(「光」集英社文庫刊)
音楽:ジェフ・ミルズ
配給:ファントム・フィルム
(c)三浦しをん/集英社・(c)2017『光』製作委員会
公式サイト:hi-ka-ri.com

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<応募締切>
12月5日(火)

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