“強キャラ男子のタッグ”って最高じゃない? カツセマサヒコが『探偵はBARにいる3』を徹底解説

カツセマサヒコの『探偵はBARにいる3』評

ポイント3:アクションシーンや音楽、脚本、全てにおいて(個人的に)過去最高!

 “爽快感”がシリーズを通してぶっちぎりで一番だと思っている今作。その理由のひとつにアクションの派手さがあると思います。初出演となる超絶イケメン・志尊淳さんが演じる“高田より強い敵”と「高田」の一騎打ちはこれまでにない印象的なシーンだし、リリー・フランキーさんの悪役の動きはもうハマりすぎ。前作までが「乱闘」と言うなら今作はハッキリとした「戦闘」だと言えて、その要因には、今作からメガホンを取った吉田照幸監督がこれまでとは違った撮影方法でアクションシーンを撮っていることが挙げられます。俳優がゆっくり動いてパンチやキックを繰り出し、実際に殴る。それを後から編集で早回しして臨場感を出す撮影技法で、新たな境地を見せています。ノースタントで挑んだ北川さんの迫真の演技しかり、飽きさせない展開が最高でした!

 また、シリーズ全編を通して使われているメインテーマが、やっぱりどちゃくそカッコいい! 『相棒』シリーズの楽曲提供なども務めたベーシストの池頼広さんがつくった当曲。スラップとタイトなドラムが生み出すグルーヴ感とシブすぎるサックスがとにかく耳に残る、残る! 上映が終わって劇場を出るとき、脳内であのテーマソングを流しながら少し大股で歩く自分がいました。きっと皆さんもそうなると思います。

 そして、『探偵はBARにいる』といえば、やはり脚本の面白さ! 今作も古沢良太さんと主演の大泉さんが何度も話し合って練り上げていったそうですが、前作から4年の歳月をかけて作られただけあって、テンポも見せ方もクライマックスへの持っていき方も、個人的には、過去最高! 原作の小説『探偵はBARにいる』をリスペクトしつつもオリジナリティを見せた作風は、原作ファン、過去2作品のファン、今作から観る人、全員を楽しめるための工夫がいたるところで見られます。「1、2を観たことがないから~」と観ることに抵抗感がある皆さん、大丈夫です、安心して今作から楽しんでください。

おわりに

 以上、少し長くなりましたが、『探偵はBARにいる3』をオススメする理由を紹介しました!

 公開は、12月1日(映画の日)! 

 「なんかスカっとしないなあ」「しばらく邦画観てないなあ」「てか映画館とかしばらく行ってないないなあ」と思っている皆さん、冬が訪れる日本を熱く熱くする本作を、是非劇場でご覧くださいっ! マジで! オススメします!!

■カツセマサヒコ
フリーライター/編集者。
編集プロダクション・プレスラボでのライター経験を経て、2017年4月に独立。
広告記事、取材記事、エッセイ、物語等の企画・取材・執筆を行う。
ツイートが10~20代を中心に話題を呼び、Twitterフォロワーは11万人を超える。
趣味はスマホの充電。Twitter

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■公開情報
『探偵はBARにいる3』
12月1日(金)全国ロードショー
出演:大泉洋、松田龍平、北川景子、前田敦子、鈴木砂羽、リリー・フランキー、
田口トモロヲ 志尊淳、マギー、安藤玉恵、正名僕蔵、篠井英介、松重豊、
野間口徹、坂田聡、土平ドンペイ、斎藤歩、前原滉、桝田徳寿、天山広吉、片桐竜次
原作:東直己「ススキノ探偵」シリーズ
監督:吉田照幸
脚本:古沢良太
音楽:池頼広
(c)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会
公式サイト:http://www.tantei-bar.com/

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