いびつな親子関係がもたらした狂気 『明日の約束』今なお進行する母と子の苦悶

『明日の約束』いびつな親子関係がもたらした狂気

 バスケ部の顧問・辻哲哉(神尾有)とキャプテン・大翔(金子大地)を、圭吾を苦しめた犯人として襲ったのは香澄だった。香澄が自殺未遂を起こした際、父親は入院中で、血の繋がらない母親と折り合いがつかず、いじめ以外にも家庭内に問題を抱えていた。さらには、教室内で起こした自殺未遂さえ、両親の意向で公にはされなかった。それは明らかに、香澄が世に向けたSOSのサインだったのに。

「親子」は父母と子の関係を意味する言葉だ。父と子、母と子の関係に限定する際には、それぞれ父子、母子という言葉を用いる。本作でいびつな親子が描かれる場面では、いつも、だれかが欠けている気がする。日向と尚子の関係には父親、圭吾と真紀子の関係には妹の英美里と父・正孝(近衛谷太朗)、和彦の兄と両親の関係にはもうひとりの子である和彦。未だ止まらない、行き過ぎてしまった尚子と真紀子の毒母としての暴走ぶりは、今後どのようにヒートアップするのだろうか。先行きはまだ見えない。

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(文=大和田茉椰)

■放送情報
『明日の約束』
毎週(火)21時〜放送
出演:井上真央、及川光博、工藤阿須加、白洲迅、新川優愛、羽場裕一、手塚理美、仲間由紀恵
演出;土方政人、小林義則
脚本:古家和尚
プロデューサー:河西秀幸、山崎淳子
制作著作:関西テレビ放送
制作協力:共同テレビ
公式サイト:https://www.ktv.jp/yakusoku/index.html

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