事なかれ主義は果たして“罪”なのか? スイスから日本へ、『まともな男』が問いかけるもの

スイス映画『まともな男』インタビュー

「なぜこの作品が評価されたのか、正確なところは僕にもわからないけれど、観る人によってまったく異なる感想を抱く作品になったのは、クリエイティブな面から考えて、とても良い結果だったと思う。少なくともこの映画は、観終わった後にすぐ、サッカーの試合の結果が気になるタイプのものではないからね(笑)。この映画を観て、なにか感じることがあったら、ぜひ身近な人たちとそのことについて話し合ってみてほしい」

 我々はともすれば、スイスという国に対して牧歌的で平和なイメージを抱きがちだ。しかし、この映画が描くのは、人が社会を営むところに必ず生じうる不和であり、普遍的な人間の宿痾である。アルプスの冷たい雪は、簡単には溶けないのだ。

(取材・文=松田広宣)

『まともな男』予告編

■公開情報
『まともな男』
11月18日(土)より新宿K‘s cinemaほか全国ロードショー
監督・脚本:ミヒャ・レビンスキー
出演:デーヴィト・シュトリーゾフ、マレン・エッゲルト、アニーナ・ヴァルト、ロッテ・ベッカー、ステファヌ・メーダー、マックス・フバッヒャー、ビート・マルティ、オリアナ・シュラーゲ、テレーゼ・アフォルター
配給表記:カルチュアルライフ
(C) Cultural Life & PLAN B FILM. All Rights Reserved.
公式HP:http://www.culturallife.jp/matomonaotoko

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