“陽”の櫻井翔と“陰”の松本潤 『先に生まれただけの僕』『ナラタージュ』先生役を比較

 確かに、「好きな男性を女性視点で見た時」と考えると、ズルい男の中に優しさが溢れているのも納得がいく。これまで様々なタイプのラブストーリーを演じてきた松本ならではのアプローチだ。

 それぞれの先生役を考えると、両者とも少なからず素の部分が活かされているのでは、と感じる。櫻井は、しっかりしつつも時々抜けている部分があったり、思いっきり失敗をしたり。嵐の冠番組を見ていると度々いじられている場面を目にすることも多いだろう。しかし、「この人に任せておけば何とかなる」という信頼の厚さは鳴海京介と重なる。松本は、ストイックで一見近づけない雰囲気を持ちつつも、共演者やスタッフからも評されるほど優しさに溢れている人物。『99.9-刑事専門弁護士-』のスタッフはTwitterで、共演者の片桐仁は雑誌で、その優しさを語っていた。ベクトルは若干違うが、ズルさの中に大きな優しさがある葉山を彷彿させる部分に通じるのではないだろうか。各々のキャラクターを上手く活かした先生役と言えそうだ。

 言い表すならば鳴海は「陽」、葉山は「陰」の魅力がある。『先に生まれただけの僕』はまだ4話目、『ナラタージュ』も大ヒット上映中だ。ぜひ2タイプの先生を堪能してみてはいかがだろうか。

(文=高橋梓)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる