綾瀬はるか、ママ友いじめ問題をどう解決? 『奥様は、取り扱い注意』が示す“本当の強さ”

綾瀬はるか、ママ友いじめ問題を解決

 そしてついには、「ボスママ」と周囲から恐れられるまでになった貴子。しかし、彼女は狭い場所でボスを気取っているに過ぎない。いわば、“井の中の蛙大海を知らず”状態なのである。そして、そんなボスママが支配する井の中から初めて外を見上げたのが、理沙だった。「もう少しで小さな檻の中に閉じ込められるところ」だった彼女。しかし、菜美たちとのトレーニングを通して、“どこにでも逃げられる強い足”を手に入れた。「空の広さがわかってよかったです」と笑顔で語っていた理沙もまた、“井の中の蛙”状態だったが、“されど空の深さ(青さ)を知った”のだ。もしかしたら狭い世界にいるからこそ、“息子のために強くなる”という自分の道を究めることが出来たのかもしれない。

 “服従を友情と勘違いしていた”貴子は、気づいたら誰よりも孤独になっていた。周りには、家族も友達もいない。孤独という恐怖が積もり、理沙への憎しみに変わっていく。夫と離婚することになったのも、ママ友が去っていったのも、理沙のせいでないことはわかっている。でも、理沙のせいにするしかないほど、貴子は弱りきっていた。そして、ついには理沙に怪我を負わせてしまう。それと同時に理沙からも貴子からも「パキッ」と心が折れる音を聞いた菜美は、二人を助けることを決意する。そして、今回もまたこれまで培ってきた身体能力と経験で、無事に解決へと導く。

 貴子と戦った際に、菜美は「あんたは私がこれまで戦った相手の中で、一番弱かった。びっくりするくらい」と言っていた。そして、「だから、自分の弱さを認めて、肩から力を抜いて、みんなの力を借りて生きていけばいい」と。己の弱さを認め、本当に強くなった日には、貴子もまた今の菜美のように“世界中が優しく見える”のではないだろうか。

(文=戸塚安友奈)

■放送情報
『奥様は、取り扱い注意』
日本テレビ系にて毎週水曜夜10時~
出演:綾瀬はるか、広末涼子、本田翼、中尾明慶、銀粉蝶、石黒賢、西島秀俊
原案・脚本:金城一紀
演出:猪股隆一ほか
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/okusama/

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