柳楽優弥が語る、『銀魂』土方十四郎役の手応え「こんなにカッコいい男を演じられる機会は滅多にない」

柳楽優弥が語る『銀魂』土方十四郎役の手応え

「“演技上手い”のもっと上を目指したい」

ーーキャストの皆さんも新鮮な顔ぶれが揃っていますね。

柳楽:そうですね。同じ真選組の近藤勲役の中村勘九郎さんとか、ビックリですよね。僕はもともと歌舞伎が好きで、先輩によく勘九郎さんの舞台に連れて行ってもらったりしていたんです。その方が、劇中でビックリするほど薄いモザイクをかけられているのには正直驚きました(笑)。しかも身体はバッキバキですし。沖田総悟役の吉沢亮くんも本当に抜け目のない真面目な方で、まったく違和感なく一緒にできましたね。すごくやりやすかったですし、原作の2人の空気感が伝わるような縄で縛るシーンは、僕自身も、やっていてすごく楽しかったです。

ーー主演を務めた坂田銀時役の小栗旬さんはいかがでしたか?

柳楽:これだけの大作で、しっかり真ん中で肝を据えてドスンと立てているっていうことが、とにかくすごい肝っ玉だなと思いました。尊敬する役者の方はたくさんいますけど、その中でも小栗旬さんは尊敬もしているし大好きな先輩の1人です。何より結果を残せているっていうのがすべてなのかなという気がしますね。

ーー今回の作品もそうですが、最近は原作ものの映画化が多いですよね。柳楽さんもそういった作品に出演されることが結構あるかと思いますが、原作ものの映画化が増える日本の映画業界についてはどのように捉えていますか?

柳楽:原作ものはある意味、オリジナル脚本の作品や社会派映画とは伝えることが全然違うと思うんです。日本の漫画やアニメのクオリティは圧倒的に高くて、それは世界からも認識されている。だから、世界に通用するレベルにある日本の漫画やアニメが実写化されるのは、当然のことかなと。その中で、自分の愛着ある作品が実写化されることに対して抵抗ある人がいるのも当然のことなんじゃないですかね。最初はミスキャストと思われたとしても、役者たちがそのキャラクターになりきって演技をした映像を通して、ファンの方々に「ここまでやったならOK」だとか「これは楽しかった」みたいに言ってもらえれば大成功なんじゃないかなと。結局はエンターテインメントですからね。今回の『銀魂』もそういうことが本領発揮された作品になっていると思います。

ーー昨年は主演映画『ディストラクション・ベイビーズ』で様々な賞を受賞しました。あのような少しシリアスな役柄と今回のようなちょっとコミカルな役柄、演じる上で好みはありますか。

柳楽:正直自分の中でもちょっと分からなくて。普通の役も個性的な役も同じぐらい労力を使います。でもどちらにしても、何かスイッチが入る瞬間があるんです。それは現場の空気や台本、相手の役者さんとかにもよるので、明確には答えられないんですけど……。ただ将来的には、演技派とかカメレオン俳優とかではなく、自分をさらけ出せるような役を演じたいなとは思います。カメレオンとかも話題作りとしてはすごくいいと思うんですけど、昔の日本映画を観ると、出ている役者さんの演技が上手いってあまり感じないんです。演技に目を向かせない自然さがある。演技上手いって言葉はもちろん嬉しいですが、もっとその上を目指したいなと思うんです。これからは自分をさらけ出せるような勇気をもっと築いていきたいと思います。

(取材・文=宮川翔)

■公開情報
『銀魂』
全国公開中
監督:福田雄一
原作:「銀魂」空知英秋(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
出演:小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、新井浩文、吉沢亮、早見あかり、ムロツヨシ、長澤まさみ、岡田将生、佐藤二朗、菜々緒、安田顕、中村勘九郎、堂本剛
製作:「銀魂」製作委員会
制作プロダクション:プラスディー
配給:ワーナー・ブラザース映画 
(c)空知英秋/集英社 (c)2017映画「銀魂」製作委員会
公式サイト:gintama-film.com

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