JUMP知念侑李『忍びの国』で見せた表現力の豊かさ 憧れの大野智と共演が示す未来

JUMP知念侑李、時代劇への適性の高さ

 今回『忍びの国』で彼が演じるのは織田信長の次男・信雄。伊勢国の元国司である北畠氏の家に入り、伊勢国に続いて“忍びの国”である隣国・伊賀を制圧しようと企てる織田軍を率いる武将である。豪快な織田の軍勢に対し、気の弱く優柔な彼の雰囲気は、まさに“面倒な国を押し付けられた”という空気が溢れていて、本作の軽快なイメージにマッチする。前述した『超高速!参勤交代』に続いて、本作でも弓を射るシーンが登場するのだが、今回は役柄に合った不慣れな手つきで構えるあたりも、彼の表現力の豊かさを感じるばかりだ。

 そんな知念といえば、大野智に憧れてジャニーズ入りしたことで知られている。本作の初日舞台挨拶では、大野との共演に「デビューより嬉しかった」と喜びを爆発させる一幕も。その大野は本作の劇中で、イメージ通りの飄々としたキャラクターと高い身体能力を披露し、先輩としての威厳を堂々と見せつけていた。そうなれば次は知念が先輩としての威厳を見せつける時代がやってくる。

 12月に公開される映画『未成年だけどコドモじゃない』で知念は、またしてもジャニーズの別グループのメンバー、SexyZone中島健人と共演となる。知念と中島は同学年ではあるが、事務所への入所は知念の方が先輩で、NYCの前身グループ・NYCboysでは共に活動した仲間。俳優としてのキャリアでも一歩リードしている後輩との共演に、どう立ち向かっていくか楽しみだ。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■公開情報
『忍びの国』
全国東宝系にて公開中
出演:大野智、石原さとみ、鈴木亮平、知念侑李、マキタスポーツ、平祐奈、満島真之介、でんでん、きたろう、立川談、國村隼、伊勢谷友介
原作:和田竜『忍びの国』(新潮文庫刊)
監督:中村義洋 
脚本:和田竜
製作:映画『忍びの国』製作委員会
(c)2017 映画『忍びの国』製作委員会
公式サイト:http://www.shinobinokuni.jp/

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