小池徹平は登場人物たちの“鏡”となるーー『リバース』原作とドラマの違いを読む

 ドラマの冒頭で広沢との過去を独白した登場人物は、その回でそれまで隠していた秘密と現在の状況を詳らかにされ、やがて過去・現在含め自分自身と向き合うことになる。それがこのドラマの毎度の構造なのであるが、「見なくてもいいものを見てばかり」の深瀬の目を通して、死者である広沢由樹という人間が10年という歳月を経て立ち現われ、それが逆に鏡となって、深瀬はじめ広沢と関わった人々全ての人生を照らし出している。

 最後に広沢自身のことが明らかになるのか。全て秘密は出尽くしたかと思う事件には、まだ隠された秘密があるのか。まだまだ奥が深そうなドラマ『リバース』の今後の展開に目が離せない。

■藤原奈緒
1992年生まれ。大分県在住の書店員。「映画芸術」などに寄稿。

■放送情報
毎週金曜日夜10時〜(TBS系列にて)
出演:藤原竜也、戸田恵梨香、玉森裕太、市原隼人、小池徹平、三浦貴大、門脇麦、YOU、片平なぎさ、武田鉄矢、篠原ゆき子
原作:湊かなえ「リバース」
脚本:奥寺佐渡子、清水友佳子
音楽:横山克
演出:塚原あゆ子、山本剛義、村尾嘉昭
プロデューサー:新井順子
制作:ドリマックス・テレビジョン、TBS

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