『美女と野獣』100億突破へ! 一般の観客が求めているのは、実は壮大なネタバレ作品?

『美女と野獣』100億突破へ!

 熱心な映画ファンの間では相変わらずネタバレをめぐって喧々諤々と議論が巻き起こったりしている一方で、世間のマジョリティは壮大なネタバレ映画こそを求めている。そう考えると、国内外で小説やコミックやリブートものなど元ネタのある映画がますます主流を占めている中、オリジナル・ストーリーのおもしろさを追求する作り手がテレビシリーズにどんどん流出している理由も同じだと思い当たる。ごく一般の人は「観終わった後にどんな気持ちになるかわからない」ものに、映画館の窓口で財布からお金を出そうとは思わないのだろう。自分なんかは「観終わった後にどんな気持ちになるのかまったく想像もつかない」ことこそが映画を観る醍醐味だとも思うのだが……。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)。Twitter

■公開情報
『美女と野獣』
全国公開中
監督:ビル・コンドン
出演:エマ・ワトソン、ダン・スティーヴンス、ルーク・エヴァンス
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
公式サイト:http://www.disney.co.jp/movie/beautyandbeast.html

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