『SING/シング』は大人も楽しめる“音楽映画”だーーアニメーションに託された群像劇の魅力

『SING/シング』は大人こそ楽しめる映画だ

 最近『ラ・ラ・ランド』も観て号泣してしまったのだが、どちらも音楽劇である。音楽劇とは身構えず、ただただ楽しむためだけのものと勝手に認識していたが、どちらもいい意味で裏切られた。ともすれば重くなるテーマを音楽やダンス、アニメなどの手法を加えることによって、理論的に状況を説明されるより押しつけがましくなく、心にスッと入り込んで来るのはなぜだろう。またそこに表現の広がりも生まれて来る。そんな表現の仕方も乙だなと思う。

 字幕版では、声優を務めるスカーレット・ヨハンソンやタロン・エガートンらが役として歌も歌っていて、その歌声もまた魅力的。子供は視覚と聴覚で楽しみ、洋楽好きな大人は音楽と内容で楽しむ。子供だけではもったいない、大人も楽しめるアニメーションだと感じた。

■大塚 シノブ
5年間中国在住の経験を持ち、中国の名門大学「中央戯劇学院」では舞台監督・演技も学ぶ。以来、中国・香港・シンガポール・日本各国で女優・モデルとして活動。日本人初として、中国ファッション誌表紙、香港化粧品キャラクター、シンガポールドラマ主演で抜擢。現在は芸能の他、アジア関連の活動なども行い、枠にとらわれない活動を目指す。
ブログ:https://otsukashinobu5.wordpress.com/
日本の芸能に関してのお問い合わせはこちらへ :http://www.breathinc.com/

■公開情報
『SING/シング』
全国公開中
監督・脚本:ガース・ジェニングス
製作:クリス・メレダンドリ、ジャネット・ヒーリー
出演:マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、セス・マクファーレン、スカーレット・ヨハンソン、ジョン・C・ライリー、タロン・エガートン、トリー・ケリーほか
出演(吹替版):内村光良、MISIA、長澤まさみ、大橋卓弥(スキマスイッチ)、斎藤司(トレンディエンジェル)、山寺宏一、坂本真綾、田中真弓、宮野真守、谷山紀章、水樹奈々、大地真央
吹替版演出:三間雅文
日本語吹替版音楽プロデューサー:蔦谷好位置
日本語歌詞監修:いしわたり淳治
配給:東宝東和
(c)Universal Studios.
公式サイト:http://sing-movie.jp/

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