グザヴィエ・ドランが語る、映画を撮る理由 「“いま”を生きるために“過去”を改革しようとしてる」

グザヴィエ・ドラン インタビュー

 また、世界的に評価される役者との制作については、「アドレナリンが出まくったよ!」と興奮気味に語る。「5人のキャストが全員揃った撮影日は5日間だけだったんだ。それぞれのシーンは別の日に撮影したけど、全員が揃ったのは5日間だけ。これがかなり大変は挑戦になった。全員が部屋の中を一斉にかけずりまわったのは、閑静なモントリオール郊外の住宅地で暑い6月の撮影だったんだから! まるでアリの巣みたいな隠れた場所でせっせとあたらしい巣を作っているような、そんな感じだった」

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左からマリオン・コティヤール、グザヴィエ・ドラン、ナタリー・バイ

 自身の作品に役者として登場することも多いドラン。しかし、『Mommy マミー』、『たかが世界の終わり』、2018年に公開予定の最新作『The Death and Life of John F. Donovan』と、近年制作された作品には、いずれも出演していない。そんな役者活動の変化について聞いてみると、「トランジッション(移行期)であることは確か」と明かし、続けて「ただ、僕が最近の映画の中で演じないただ一つの理由は、僕が語りたいストーリーの中に、自分を自然に置ける役がないから。ストーリーがあちらからやってくるのであって、僕が探しているわけじゃない。そのストーリーが降りてきたときには、すでに完成された形でやってくるんだ。僕が演じたいと思う情熱は、いままでで最高に強くなってる。だけど、自分が演じるために物語を書きたいわけじゃないんだ」と、説明した。

 グザヴィエ・ドラン監督の意欲作『たかが世界の終わり』は、全国順次公開中だ。

■公開情報
『たかが世界の終わり』
公開中
監督・脚本:グザヴィエ・ドラン
原作:ジャン=リュック・ラガルス「まさに世界の終わり」
出演:ギャスパー・ウリエル、レア・セドゥ、マリオン・コティヤール、ヴァンサン・カッセル、ナタリー・バイ
配給:ギャガ
提供:ピクチャーズデプト、ギャガ、ポニーキャニオン、WOWOW、鈍牛倶楽部
後援:カナダ大使館、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
原題:Juste la fin du monde/カナダ・フランス合作映画/99分/カラー/シネスコ/5.1ch デジタル/字幕翻訳:原田りえ
(c)Shayne Laverdiere, Sons of Manual
公式サイト:gaga.ne.jp/sekainoowari-xdolan/

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