EXILE AKIRAが語る、スコセッシ監督との出会いと目指す役者像「現場で新しい自分を引き出していきたい」

AKIRAが語る、自分らしい役者道

「役者としても仕事ができているのはEXILE TRIBEのおかげ」

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――EXILE TRIBEにおけるAKIRAさんのポジションとも通じる部分はあるんですか?

AKIRA:もし通じていたら、僕は相当面倒くさい先輩ですよね(笑)。まぁ、年齢的にもみんなを引っ張っていく立場になりつつあるとは思います。
 リーダーシップという意味では、やっぱりHIROさんがお手本になる部分も多くて、最近になって、「あのとき、HIROさんは何も言わなかったけれど、こういう気持ちだったのかな?」って、上に立つ人の気持ちが想像できるようにもなってきました。その気持ちを、琥珀に投影することはありましたね。

――AKIRAさん自身、これからはEXILE TRIBEを引っ張っていく立場ですね。

AKIRA:リーダーというのは、自分が決めるわけじゃなくて、周りが決めるものだと思うんです。先輩はもちろん、後輩やスタッフに支えられて、今の立場や役割があるんですよね。だからこそ、これからしっかり盛り上げていかなければと思います。
 僕がいま、役者としても仕事ができているのはEXILE TRIBEのおかげなので、先輩たちが勇退された後、僕らの代がしっかりと足場を固めて、次の世代に繋いでいかなければという気持ちは強いですね。HIROさんには、AKIRAが行きたい道を行けばいいとは言われていたのですが、やっぱり僕にとってはEXILE TRIBEが基盤なんですよ。それに、EXILE THE SECONDの活動で培ったものは、必ず役者としての活動にも活きると思っていて。
 ただ演技を追求するのであれば、上手い役者さんたちはたくさんいますし、そこを目指す必要はないのかなと。演技が上手いという以上に、AKIRAという人間の存在感で、スクリーンに映っていけるような存在になりたいですね。それはすごく大変な道のりかもしれないけれど、結果として、ほかの俳優さんたちとは異なる魅力を打ち出していけたら嬉しいです。

――仰るように、LDHにはほかのエンターテイメント業界とは異なる独自のカルチャーが感じられます。それはどんなところだと考えていますか?

AKIRA:特殊ですよね(笑)。たぶん、メンバー全員がチームを強くするために、各々の活動に精を出しているというところが、大きな違いになっているのでは。もちろんみんな、個人としてもビッグになりたいという欲求は持っていると思うのですが、それと同じくらいEXILEに恩義を感じているというか。みんな、抱いている正義感や責任感は少しずつ違うものの、目指す方向性は同じで、それが一体になったときに生み出されるパワーを知っている。だからこそ、個々の活動にも力が入るんです。
 HIROさんの『Bボーイサラリーマン』(2005年 幻冬舎)という本があるんですが、EXILE TRIBEのメンバーはみんなBボーイサラリーマンなんですよ。パフォーマンスもするけれど、裏方としてサポートにも回る。僕自身、ダンススクール・EXPGのサポートもしています。スタッフとアーティストの境目もなくて、自分たちの力ですべてを作り上げていく。そのDIY精神で作り上げてきたのがLDHなんです。

――2017年、LDHは世界展開に向けて新体制となります。いろいろなことが重なり大変な時期でもあると思いますが、AKIRAさん自身はどんな抱負を持っていますか?

AKIRA:役者として10年の節目で、スコセッシ監督の作品に僅かではありますが関わることができたのは大きな励みになりましたし、モントリオール世界映画祭で高い評価をいただいた『たたら侍』もいよいよ公開されます。LDHの世界展開が始まる中で、こうしたスタートを切れたのは本当にありがたいことですし、海外展開もより現実味を増してきたと思います。これからの10年、20年を見据えた上でも、2017年はとても大事な一年になるでしょう。僕自身も初心に返り、ひとつひとつの仕事に真摯に向き合って、オリジナルの役者を目指していきたいです。大変な時期だからこそ、自分が結果を出すことでチームを勇気付けていきたいですね。

(取材・構成=編集部/写真=下屋敷和文)

■公開情報
『沈黙-サイレンス-』
2017年1月21日(土)全国ロードショー
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫刊)
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ジェイ・コックス、マーティン・スコセッシ
撮影:ロドリゴ・プリエト
美術:ダンテ・フェレッティ
編集:セルマ・スクーンメイカー
出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
(c)2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト:http://chinmoku.jp

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