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宇野維正の興行ランキング一刀両断!

繰り返される『スター・ウォーズ』vs『妖怪ウォッチ』対決! しかし今年は異変も……

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 昨年12月の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』vs『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』対決に続いて、今年も洋画屈指の人気シリーズ『スター・ウォーズ』と邦画アニメの新興勢力『妖怪ウォッチ』が激突した先週末。一足先の金曜日(今年は去年のように18時一斉公開ではなく、前日の深夜24時からのカウントダウン上映も開催された)に公開された『スター・ウォーズ』初のスピンオフ作品『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の土日2日間の成績は動員41万3600人、興収6億5300万円。土曜日に公開された『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』の土日2日間の成績は動員54万5000人、興収6億800万円。つまり、公開初週の動員では『妖怪ウォッチ』に、興収では『ローグ・ワン』に軍配が上がったことになる。

 日本では動員でランキングが発表されることが慣習となっているため(地域や映画館によって入場料が大きく異なる海外では興収でランキングが発表されるのが通例だ)、これをもって再び「『妖怪ウォッチ』が『スター・ウォーズ』に勝った!」というニュースが世界中に発信されると思うと少々気が重い。昨年に引き続き、興収では初週から『ローグ・ワン』が上回っていることは強調しておくべきだろう。

 ただ、気になるのはそれぞれの数字の昨年からの減少率である。昨年の初週2日間の数字で比較すると、『妖怪ウォッチ』は約43%ダウン、『ローグ・ワン』は約48%ダウンといずれも大幅に数字を落としているのだ。ちなみに2年前の12月に劇場版の第1作が公開されている『妖怪ウォッチ』は、記録的な初週成績を残した第1作と比べると、実に63%ダウンという極端な落ち込みをみせている。

 それぞれの下落の理由は明白だ。2年前に社会現象を巻き起こした『妖怪ウォッチ』は、そこからくる反動を極力抑えて、この2年間でなだらかに通常の子供向け人気アニメ・コンテンツに成長したという見方ができる。もっと具体的に言うなら、現状、『ドラえもん』や『名探偵コナン』や『ONE PIECE』ほどは強くないが、『クレヨンしんちゃん』や『ポケット・モンスター』よりは強いといったところ。それらのシリーズが10年以上の歴史があることを考えると、そこに新たな人気シリーズが生まれたことは映画会社にとって重要なことだ。

 『ローグ・ワン』に関しては、改めて言うまでもなく今回はスピンオフ作品ということで、事前の宣伝も、公開館数も、昨年の『フォースの覚醒』の公開1年前からの周到な宣伝戦略や公開直前のキャンペーンに比べると随分と控えめなものだった。来年の2017年は第1作の『スター・ウォーズ』の(本国)公開から40周年ということで、世界的に大きなイベントが目白押しの『スター・ウォーズ』。その流れから来年12月公開の大本命『エピソード8』に向けて大きな盛り上がりを作っていく上で、今年の『ローグ・ワン』公開前はそこまで大々的な宣伝をしないというのが、おそらくは本国ディズニー/ルーカス・フィルムの意向であったことが推測できる。もっとも、完成直前に大掛かりな再撮影が敢行されるなど事前に不安を覚える情報があったにもかかわらず、『ローグ・ワン』の仕上がりは素晴らしいものになっていて、作品を観終えた今となっては『スター・ウォーズ』ファンとして「ここまでいい作品ならもっと宣伝すればよかったのに」と思ってしまうのだが……。

      

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