『SCOOP!』初登場4位 歴史的ヒット作と同時期に公開されるデメリットとメリットについて

『SCOOP!』口コミで動員アップなるか?

 もっとも、大根監督はTwitterで「タイミング悪かったですねー」というファンの声に「全然そんなことない!こんな邦画豊作の年に公開できてラッキーです。」とリプを返している。これは強がりなどではなく本音だろう。同時期の公開作にあまりにも強い作品があることは、話題性やスクリーン数などで割りを食うことはあったとしても、それだけ多くの人が実際に映画館に足を運んでいるということであり、上映前に予告編を観る人もたくさんいるということ。それらの人々は、すべての作品にとって潜在的な「新しい観客」なのだ。これまでの大根監督の作品がそうであったように、『SCOOP!』は口コミの評判で広がるタイプの作品。2週目以降の健闘に期待したい。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)。 Twitter

■公開情報
『SCOOP!』
全国公開中
監督・脚本:大根仁
出演:福山雅治、二階堂ふみ、吉田羊、滝藤賢一、リリー・フランキー
(c)2016「SCOOP!」製作委員会
公式サイト:scoop-movie.jp

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