『インデペンデンス・デイ』20年ぶりの続編、ヒットの背景は洋画全盛期へのノスタルジー?

『インデペンデンス・デイ』続編ヒットの背景

 今回何が残念だったって、これまでの慣習でいくと間違いなくあると思っていた、『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』公開タイミングでの前作『インデペンデンス・デイ』の地上波ゴールデンタイムでの放映がなかったこと。「わざわざDVDを購入したり借りたりしてまで観直す気はしないけど、テレビでやっていたらついまた観ちゃって、その勢いで続編を観に行くかも」という潜在的な層もかなりいたのではないか。実際、今回の『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』は、リブート流行りのこのご時勢にあって、意外なほど正統な続編(作品のクオリティ水準はまた別の話だが)として作られていて、前作のキャラクターも大挙出演しているのだ。まぁ、このタイミングで地上波での放送がなかったのは、ここ10数年の間に既に何度も放映していて、今さら高視聴率が望めないことが最大の理由であることは想像できるが……。逆に言うと、今回、公開直後に劇場に駆けつけて、あの一時代前のハリウッド映画のように大味な作品をちゃんと楽しめた観客は、古き良き(?)洋画ファンの鏡のような存在と言えるのかもしれない。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書)発売中。Twitter

■公開情報
『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』
TOHOシネマズ スカラ座ほか全国公開中
監督:ローランド・エメリッヒ
出演:ジェフ・ゴールドブラム、ビル・プルマン、リアム・ヘムズワース
配給:20世紀フォックス映画
(c)2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/idr/

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