闇社会、飯テロ、若手女優の躍進……夏の深夜ドラマの注目作を一挙紹介

夏の深夜ドラマ注目作をチェック

フレッシュな女の子たちの躍進

 一方、前クール、前田敦子主演の『毒島ゆり子のせきらら日記』で、「大物政治家の番記者」の奔放な恋愛事情を描いたTBS「テッペン!水ドラ!!」枠では、「闇」は「闇」でも、本物の「闇」……「呪われた一万円札」を手にした人々が次々と不可解な死を遂げるという本格ホラーサスペンス『死幣-DEATH CASH-』(7月13日(水)24時10分~/TBSほか)がスタート。前クールの『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』で主人公の高校時代を演じたSKE48の松井珠理奈が、連続ドラマ初主演にして、他人の死が見える特殊能力を持った女子大生を演じます。その彼女とタッグを組む刑事役の戸次重幸、松井が所属するゼミの教授役の筧利夫といった実力派はもちろん、松井の妹役の清原果耶、松井と同じゼミに所属する女子大生役の川栄李奈、吉岡里帆など、フレッシュな若手女優たちが続々出演。果たして彼女たちは、最後まで生き残れるのでしょうか。これからの季節に相応しい、身の毛もよだつ作品となりそうです。

 さらに、テレビ東京「土曜ドラマ24」枠では、昨年発足して以来、人気急上昇中のアイドルグループ、欅坂46を総出演&初主演する群像劇『徳山大五郎を誰が殺したか?』(7月16日(土)24時20分~/テレビ東京系)がスタート。企画・原案=秋元康で送る本作が、ほとんど演技初挑戦となる欅坂46の女の子たちですが、事前の入念なワークショップのもと、さらには個々のキャラクターによって、物語そのものが流動的に変わっていったという、まさしく「深夜の実験場」とも言えるこのドラマ。全編を通じて教室の中だけで物語が展開するその内容は、ある日教室で担任の死体が発見されるという、とてもシュールなものとなっています。いきなり死体で登場する「徳山大五郎」役の嶋田久作をはじめ、岩松了、江口のりこ、今野浩喜など、やたらと濃い共演者たちはもちろん、かつてAKB48が主演したドラマ『マジすか学園』や映画『ヒーローマニア‐生活-』、『森山中教習所』などを手掛ける豊島圭介がチーフ監督を務めることも注目の一本です。

注目の若手女優、永野芽郁の初主演ドラマ!

 10代の女の子の躍進と言えば、7月8日からスタートした『こえ恋』(毎週金曜24時52分~/テレビ東京ほか)も見逃せない一本となっています。映画『俺物語!!』のヒロイン役で多くの男性たちを虜にし、現在は「カルピスウォーター」の13代目CMキャラクターとして瑞々しい魅力を振りまいている人気上昇中のモデル/女優、永野芽郁16歳の初主演作となる本作。なぜか紙袋をかぶって生活しているクラス委員「松原くん」の素敵な声とやさしさに惹かれていく女子高生を描いたWEBコミックが原作ということで、当初はどうなることかと思った本作ですが、既にオンエアされた初回を観た限り、これは「アリ」と言わざるを得ないでしょう。実写で描かれる「松原くん」はシュールそのものですが、そんな彼に惹かれていく永野芽郁の魅力は、本当にヤバいです。というか、彼女が恋する「松原くん」の顔が見えない分、余計な嫉妬心を持つことなく、彼女の魅力を堪能できるのです。や、何はともあれ、個人的には、一見してみることを強くオススメします。

 深夜に躍進するのは、10代の女の子ばかりではありません。同名コミックを原作とする『ラブラブエイリアン』(7月13日(水)25時55分~/フジテレビ)は、女子の「ヤバすぎる」本音トークが満載のガールズトーク・シチュエーション・コメディです。本作で連続ドラマ初主演となる新木優子をはじめ、森絵梨佳、太田莉菜、久松郁実など綺麗どころが、「働く女性たち」の恋にまつわる赤裸々トークを繰り広げるとのこと。その監督・脚本を担当するのが、岩田剛典と高畑充希がW主演し、大ヒットを記録した映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の三木康一郎監督であることも、何気に注目ポイントのひとつとなっています。などなど、すべてをチェックし終えた時点でも、やはり「女性優位」と言わざるを得ない、この夏ドラマ事情。まあ、せっかくなので、夏の夜に部屋でビールでも飲みながら、ひとつお気に入りの女子を探してみるのも一興かもしれませんね。

■麦倉正樹
ライター/インタビュアー/編集者。「CUT」、「ROCKIN’ON JAPAN」誌の編集を経てフリーランス。映画、音楽、その他諸々について、あちらこちらに書いてます。

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