松本潤『99.9』の成功で、嵐の30代キャリア見えた! ドラマ評論家「SMAPとはまた違う方向へ」

「彼が演じた情けない社長役は人々から憧れられるというより、同情や愛着の対象として見られていました。嵐がこれだけ視聴率を稼ぎ続けるのは、一般視聴者が求めるものが彼らの中にあるからで、それはSMAPが持っているヒーロー性とはまた違うものだと思います。『99.9』『セカムズ』ともに、人間関係の綾を描くドラマとしての仕上がりはさておき、主人公のキャラクターを愛でるという意味ではうまく作られていて、だからこそ受け入れられたのだと考えています。いまは年齢の感覚が昔とは違って、30代でもまだ若者として捉えられます。その背景には、経済的な厳しさやそれに伴う晩婚化もあるでしょう。そうした世相に、嵐が提示する万人から愛される“かわいいヒーロー”はフィットしているのかもしれません」

 無理に大人になろうとせず、老若男女から可愛がられる30代ーー嵐メンバーの主演作品は、今後も少なからず世のあり方を反映していくのだろうか。

(文=松下博夫)

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