エリザベス女王が“若き日の自分”を目撃? 『ロイヤル・ナイト』監督が明かす撮影秘話

『ロイヤル・ナイト』監督インタビュー

「撮影は不可能に近いほど大変だった」

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ーートラファルガー広場でのシーンはかなり大掛かりな撮影で非常に見応えがありました。

ジャロルド:撮影は不可能に近いほど大変だった。いろいろな場所で撮影を行ったが、中でもロンドンでの撮影がすごく大変だった。ロンドンは非常に忙しい街だから、撮影のために道路や場所を閉鎖することができないんだ。それに、いろいろな場所がかなり現代化してしまっていたから、当時の雰囲気を出すのも大変だったね。でも、僕はトラファルガー広場とバッキンガム宮殿の外だけは、象徴的な場所でもあるから、絶対に実際の場所で撮りたかったんだ。なので、閉鎖してはいけないという条件付きではあったが、日曜日の夜中から月曜日の早朝までの間で、なんとか撮影の許可を得ることができた。あのシーンでは300人ものエキストラに集まってもらったが、指示通りに閉鎖はしていないから、観光客やクラブ帰りの人たちが撮影中に通りかかるんだよね。それも大変だったな。

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ーー300人のエキストラをまとめるだけでも大変そうなのに、通行人なども気にしないといけないというのは想像がつきません。

ジャロルド:人々がトラファルガー広場の噴水の中に飛び込んで踊るシーンがあるよね。あれも実は、噴水の中には入ってはいけないと言われていて、最初はNGだったんだ。でも、僕はどうしてもそのシーンを撮りたかったから、「実際のヨーロッパ終戦記念日の夜、ロンドンの人たちはみんなそうしていましたよね」と関係者たちを説得して、結果的に許可を得ることができたんだよ。撮影時は非常に寒かったから、エキストラの人たちが噴水の中に飛び込んでもすぐに出てきちゃったりして、撮影は大変だったけどね(笑)。でもみんな楽しんで撮影に協力してくれて、非常に良い雰囲気で撮影をすることができのはよかったね。それから、ザ・マルでの撮影も交通をコントロールすることができなかったから非常に困難だったんだが、バッキンガム宮殿の外観の撮影日がたまたまヨーロッパ終戦記念日だったんだ。宮殿には国旗が掲げられていて、それは女王様が宮殿の中にいることを意味していた。夜の撮影だったからたぶん自分の部屋にいたんじゃないかな。僕たちは撮影のためにたくさんのクルーを引き連れていたから、もしかしたらその騒ぎを聞きつけてエリザベス女王に見られていたかもしれないね。実際に撮影の様子を目撃したかはわからないが、エリザベス女王が、若き日の自分を演じているサラ・ガドンの姿を見ていたかもしれないと想像すると、すごく面白いし興奮するよね。

(取材・文=宮川翔)

■公開情報
『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』
6月4日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督:ジュリアン・ジャロルド
出演:サラ・ガドン、ベル・パウリー、エミリー・ワトソン、ルパート・エヴェレット、ジャック・レイナー
配給:ギャガ
原題:ROYAL NIGHT OUT/2015/イギリス/97分/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/PG-12
(c)GNO Productions Limited
公式サイト:gaga.ne.jp/royalnight

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