『バットマン vs スーパーマン』高い支持から見える、日本におけるアメコミ・ヒーロー映画の定着

日本に定着しつつあるアメコミ映画
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 先週末の初登場1位は『映画 暗殺教室 -卒業編-』。土日2日間で動員54万4641人、興収6億3919万3900円と圧倒的な強さ。動員を公開館数の319スクリーンで割れば、2日間ほぼ満席状態が続く大ヒットとなったことがわかる。興収も、昨年、実写の日本映画としては年間4位となる興収27.7億円を記録した『映画 暗殺教室』の公開週の週末2日間比で実に155.6%。シリーズの浸透、前作ではノー・クレジットで声のみの出演だった二宮和也のスクリーン登場など、前作からの大幅アップには様々な要因が考えられるが、週末の劇場をリサーチした限りでは男女を問わず小・中学生の観客も目立っていた。低年齢層にまでリーチしたとなると、この強さは本物だ。前作超えは当然として、30億を超えてどこまで伸びるかに注目したい。

 全世界興収では公開3日間で4億2,410万ドル(約509億円)を稼ぎ出し、3月公開作品の新記録を樹立、さらには『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』を超えるアメコミ・ヒーロー映画の初動記録まで更新した『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』だが、日本では土日2日間で動員23万1377人、興収3億7125万4400円と、動員では4週目の『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』にも及ばず初登場3位となった。

 もっとも、興収では前作にあたる『マン・オブ・スティール』(2013年)の138.4%。シリーズとしては分断されているが、同じワーナー・DCコミック作品としては『ダークナイト・ライジング』(2012年)の初週土日興収3億7202万4700円とほぼ互角の初動である。ブランド的にはスーパーマンよりもバットマンの方が強いのは周知の通りだが、ワーナーの目論見通り、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』はスーパーマン興行ではなくバットマン興行に近い推移が期待できそうだ。『ダークナイト・ライジング』の最終興収は19.5億。本作でもし20億を突破すれば、今後『ジャスティス・リーグ』へと続いていくシリーズの未来にも弾みがつく。

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