蓮佛美沙子、“塩顔”女優の強み 共演者や脚本を引き立てる演技の“隠し味”とは

 以降、若手演技派女優として映画やドラマ、CMなどに引っ張りだこ。特にNHKドラマとの相性がよく、2014年のドラマ『聖女』では広末涼子を、先月放送された『大奥 第二部~悲劇の姉妹~』では沢尻エリカを相手に、ライバル役を好演した。しかし、実力があってどんな役柄でもこなせるからこそ、いかんせん“渋い”役柄が多く、なかなか知名度の向上に繋がらなかったのも事実。昨年『37.5℃の涙』で主演した際に、視聴率が伸び悩んだのもそのためだろう。

 しかしながら、蓮佛の出演する映画やドラマは総じて評価が高く、のちに隠れた名作と呼ばれることも多い。固定のイメージにとらわれず、色調を抑えた彼女の演技は、まさに隠し味の“塩”のように、周囲の役者や脚本の力を引き出すことができるのだ。だからこそ彼女は制作側にも重宝されるし、今後も息長く活躍できるはずだ。『お義父さんと呼ばせて』もまた、蓮佛の演技が作品の質を高め、より面白い展開となっていくのではないだろうか。

(文=本 手)

■ドラマ情報
『お義父さんと呼ばせて』
毎週火曜22時から放送中
出演者:遠藤憲一、渡部篤郎、蓮佛美沙子
脚本:林宏司
公式サイト:http://www.ktv.jp/otosan/index.html

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる