早見あかり、真野恵里菜、葵わかな……アイドルから女優への転身が成功する「条件」

 もう一人、ハロー!プロジェクトの売り出し中のグループJuice=Juiceが主演を務めるドラマ『武道館』の第1話で、女優になるため劇中のグループを突然脱退した元メンバーとして登場したのが、同じハロプロ出身の真野恵里菜である。彼女自身はずっとソロ活動を続けてきたとはいえ、女優業への転身のためにハロプロを卒業した経歴は、奇しくも役に似通っているようにも見える。

 2006年にハロプロエッグのメンバーになってから、2008年にソロデビュー。それから5年間の間でリリースしたメジャー曲のほとんどがオリコンチャートでベストテン入りを果たし、デビューから1年足らずでモーニング娘。に加入した藤本美貴を除けば、ハロー!プロジェクトでは松浦亜弥以来の成功したソロアイドルということになろう。

 昨年は『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』での主演をはじめ、大ヒットとなった『orange』や園子温監督の4作品に相次いで出演。彼女もまた、今最も乗りに乗っているアイドル出身女優ではないか。3月からはWOWOWで放送されるドラマ『カッコウの卵は誰のもの』に出演が決まっており、今年さらなる躍進が期待できそうである。

 他にも、乙女新党のメンバーだった葵わかなは日本テレビ系のドラマ『マネーの天使〜あなたのお金、取り戻します!〜』にレギュラー出演をし、来月にはBS朝日で放送される『女優堕ち』で主演を果たす。さらに、今後多くの女優を輩出することになるであろうAKBグループからは昨年夏に卒業した川栄李奈が着々とキャリアを積んできている。春からは朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』に出演し、秋には映画『デスノート2016』へ出演することも先日発表された。

 彼女たちのように、今後女優へと転身を遂げるアイドルたちが増加していくことは必至であろう。そうなれば、日本の映画・ドラマ界は一層華々しく活気付くことは間違いない。そして、現在成功しているアイドル出身女優のように、アイドルとしての成功が最初の関門となれば、アイドル界もまたさらに熾烈な戦国時代へと突入することであろう。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

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