嵐・二宮和也、キスマイ・玉森裕太、V6・森田剛……主演映画から占う、演技キャリアの今後

V6・森田剛『ヒメアノ~ル』

realsound-v6th_.jpg

 

 今回取り上げる3人の中で、もっとも意外性の高い役どころを演じるのが、V6・森田剛だろう。森田は古谷実の同名漫画を原作とした映画『ヒメアノ~ル』(2016年5月公開予定)で、快楽殺人鬼の森田正一役を演じている。原作を読んだ方ならわかるだろうが、森田正一は共感の余地のない異常者である。そんな男を演じるには、相応のキャリアや才能が求められることは、いうまでもないだろう。

 しかし、森田の役者としての才能は本物だ。しばらくテレビ出演が少ない時期が続いたが、その間、森田は蜷川幸雄、宮本亜門、行定勲ら名だたる演出家の舞台作品で己を磨いてきたのだ。その演技力は蜷川幸雄らも絶賛するほどで、ジャニーズ内の演技における影の実力者といっても過言ではないだろう。今夏に放送された『リスクの神様』(フジテレビ)は、8年ぶりの連続ドラマ出演作となったが、その無骨な演技は多くの視聴者に驚きを与えるものだった。ジャニーズアイドルの多くは、年齢を重ねるに連れ、どこかでイメージの一新を求められるものだが、森田の場合は間違いなくそれに成功していると言っていいだろう。

 殺人鬼という極めてダークな役どころによって、ジャニーズ俳優の新境地を切り拓いてくれることを期待せずにはいられない。

(文=松下博夫)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる