公開150日&動員200万人突破『ラブライブ!』に見る、映画興行「リピーターの時代」到来

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 よっぽど特別な作品の公開でもない限り(例えば3年前の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』とか)、クリスマス&正月興行の直前で劇場への客足が遠のきがちな11月。とはいえ、今年の秋は上位の作品も含めて例年以上に低調な数字が続いている。

 先週末のトップ10で唯一の初登場作品となったのは3位の『コードネーム U.N.C.L.E.』。299スクリーンで公開され、土日2日間で動員8万7433人、興収1億1334万1000円を記録。しかし、動員では上回っているものの、興収では3Dの上映館の多い2週目の『エベレスト3D』が先週から引き続き3位。いずれも期待された秋公開の外国映画だったが数字は不調だ。

 『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系列)出演以降、その歯に衣着せぬ発言がおもしろがられて各バラエティ番組から引っぱりだことなった紀里谷和明監督だったが、『ラスト・ナイツ』は動員2万3,323人、興収2,820万9,200円で公開初週からトップ10圏外(12位)という低調な数字。タレント化した映画監督の精力的なテレビでのプロモーションが、必ずしも作品の結果には結びつかないことを証明してしまった。

 結果的に、秋公開の外国映画で唯一のサプライズ・ヒットと言えるのは、先週末もしぶとく9位にランクインしている『マイ・インターン』ということになりそうだ。累計動員116万人、累計興収15億円を突破という数字は、シリーズものや原作もの以外のオリジナル実写外国映画としてはなんと本年度トップの成績となる。

 今週目を引いたのは、6月13日に公開され、初日から150日以上経った現在もまだ公開中の『ラブライブ!The School Idol Movie』が遂に観客動員数200万人突破、累計興行収入が28億円に到達したというニュース。ここにきて数字が大幅に上乗せされたのは、9月末日までが期限(その期限も当初の8月末日から一ヶ月延長されたもの)だった前売り券の未使用分が加算されたためだと思われるが、その驚異的なロングランとリピーターの多さは、週替わり特典などのアニメ作品に特有の事情を超えて、いまだに断続的に4DX上映などが続いている『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『ジュラシック・ワールド』などにも見られる、今年の映画興行の一つの象徴とも言えるだろう。

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