もしも猫がラーメン屋を経営したら……? 異色の猫お仕事マンガ『ラーメン赤猫』がおもしろい

異色の猫お仕事マンガ『ラーメン赤猫』

 ネコのラーメン屋さん。ネコとラーメンが大好きな筆者にとって、これほどキャッチーでリアル化を夢見る言葉はないかもしれない。

 残念なことに、ネコは1日の大半を寝て過ごしているし、ラーメンは人間が作った方が美味しいだろうから実現はしない。だから、筆者はアンギャマン著『ラーメン赤猫』(集英社)を読みながらひたすら夢をみ続けているのだ。

ラーメンにプライドを持つネコたちとバイトの人間の話

 ラーメン赤猫を経営しているのは、正真正銘のネコたちだ。彼らは、自分たちのラーメンとサービスに並々ならぬこだわりとプライドを持っているが、繁盛しすぎて困っているから、人間をひとりだけアルバイトに入れることにしたのだ。

 物語は、このアルバイトの社珠子を中心に進んでいく。社さんは、ブラック企業に疲れて転職してきたイヌ派の女性。ラーメン赤猫における仕事は、ネコたちのブラッシングとバックヤードの片付け、製麺の手伝い、そして時々皿洗いだ。

企業としてあるべき姿として

 ネコたちの役職は、個人の得意不得意によって明確化されている。だが、不得意を受け入れることと、不得意を放置することで企業として損益を甘んじて受け入れることは違う、と伝えている。これは『ラーメン赤猫』2の表紙を飾っているトラのクリシュナのエピソードなのだが、多様性社会を考える上でも非常に興味深いストーリー運びだと言えるのではないだろうか。理想的なホワイト企業としての一面が定期的に挟まれてくるので、ビジネスパーソン目線で読んでも学びが多い。

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