ふくやまけいこ 80年代のコミック界に衝撃を与えた「初期作品集」第2弾が登場

ふくやまけいこ初期作品集が凄い

 「月刊アニメージュ」の連載『東京物語』や田中芳樹原作による『アップフェルランド物語』「なかよし」での『星の島のるるちゃん』『まぼろし谷のねんねこ姫』など、現在でも多くのファンがいる漫画家・ふくやまけいこ。

 2009年には「月刊COMICリュウ」で、手塚治虫の『ふしぎなメルモ』をリメイクした『メルモちゃん』を発表し話題となった。そんな彼女の懐かしい名作が甦る「初期作品集」第1弾に続き第2弾が発売された。

 第2弾には、1982年マンガ雑誌「月刊ベティ」創廃刊号に掲載された『何がジョーンに起こったか』が登場。映画への愛とSF、それにラブストーリーを融合させた本作は、これからも読み継がれていくべき傑作といえるだろう。

 さらに、擬人化した動物たちと人間が共に暮らす「ヌカリナ市」を舞台に繰り広げられる、ほのぼのミステリー人気作『タップ君の探偵室』全6話も掲載。

 海外ミステリーやアメリカのTVアニメの影響を受けて描かれたと思われるこのシリーズは、『ゼリービーンズ』(「初期作品集1」に収録)の後に、読み切り連載というスタイルで1984年5月よりスタート。イヌやリス、アザラシなど動物を擬人化したキャラたちがかわいいと人気を呼んだ作品だ。

 今回の「初期作品集2」では、ふくやま本人が自ら希望し、なんとほぼ全ページにわたってセリフを改変。よりテンポ感あふれるストーリー展開となった2022年バージョンが楽しめるのは、往年からのファンにとっても比較したくなること請け合いだ。

 また、本書「初期作品集2」には1985年の「COMICモエ」に掲載された短編『月夜のでんしんばしら』も併録。こちらも情緒にあふれ、秋の夜長にピッタリな作品となっている。

 なお第1弾には、1982年マンガ雑誌「リュウ」にて掲載が始まったSFヒューマンドラマの傑作である『エリス&アメリア』シリーズが掲載されている。さらに本書には、商業誌デビュー作となった『地下鉄のフォール』や、『雪影』など、どこか懐かしくて温かい気持ちになれる珠玉の短編も併録。

 表紙はデザインに加えて凹凸ある紙の選定が素晴らしく、さらに付録のカラーピンナップ(初期作品集1)がつくのはファンにとっては嬉しい限りで、保存版にふさわしい。ぜひこの機会に2巻セットでふくやまけいこの魅力を心ゆくまで味わってみよう。

【書誌情報】
『何がジョーンに起こったか』
ふくやまけいこ 著
2022年11月01日 発売
B6判/並製 236頁
ISBN:978-4-909646-61-3
定価:1,210円(税込)

『エリス&アメリア ゼリービーンズ』
ふくやまけいこ 著
2022年9月30日 発売
B6判/並製 194頁
ISBN:978-4-909646-60-6
定価:1,100円(税込)
発行元:駒草出版(株式会社ダンク 出版事業部)
https://www.komakusa-pub.jp/

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