漫画家・ヒロユキ ラブコメ界の大御所が語る「ロレックスに出会い再起できた」ピュアすぎる腕時計愛と超貴重コレクション 

漫画家・ヒロユキが語る 純粋すぎる腕時計愛と貴重なコレクション

『週刊少年マガジン』でラブコメ漫画『カノジョも彼女』を連載し、6月17日には単行本の11巻が発売された漫画家・ヒロユキ。彼の意外すぎる趣味に、腕時計のコレクションが挙げられる。

 そのコレクションはパテックフィリップやA.ランゲ&ゾーネのような超名門ブランドの逸品から、リシャール・ミルなど気鋭のブランドまで多岐にわたる。失礼ながら、漫画の作風からはまったく連想できない趣味では……と思いきや、話を伺ってみると、腕時計を手にすることは漫画を描く上での学びも多いと言う。漫画のヒロインを愛するように腕時計を愛するヒロユキの、腕時計遍歴をのぞき見してみよう。

ツイートで思わず二度見したヒロユキの腕元

 何気なくヒロユキのツイッターを見て、「おおおおおおおおっ!」と声を上げてしまった。

このツイートを見て、筆者は腕時計に目が釘付けになってしまったのだ! 「あのヒロユキさんが、ランゲを! しかもオデュッセウスじゃん! すげーーーー!!」と衝撃を受けてしまった。A.ランゲ&ゾーネの一般的な知名度は決して高くないが、時計愛好家なら誰もが知るブランドのひとつだ

 ツイートされていたのは『カノジョも彼女』の単行本を編集する光景だが、左上に写ったヒロユキの腕元に注目してほしい。さりげなくA.ランゲ&ゾーネのオデュッセウスが写り込んでいるのだ。

 A.ランゲ&ゾーネは“世界5大腕時計ブランド”のひとつに挙げられる。ドイツが誇る超名門ブランドである。そして、オデュッセウスは時計愛好家には垂涎の逸品で、ブティックに通っても入手が難しいモデルのひとつだ。

 こうした腕時計をさりげなく使いこなし、何もコメントを書かずにサラッとUPするあたり、実に心憎い演出だ(漫画家の宮島礼吏からは「時計見せたいだけやん!」と突っ込まれていたが)。

 ヒロユキは2000年代から『ドージンワーク』『漫画家さんとアシスタントと』『アホガール』などのヒット作を連発し、現在は週刊少年マガジンで『カノジョも彼女』を連載中だ。「漫画一筋の生活を送ってきた」と語るヒロユキの最初の腕時計は、平成19年(2007)に手にしたオメガの「デ・ヴィル」であった。『ドージンワーク』のアニメが終了したタイミングで、記念に買い求めたのがはじまりだったという。

 「当時は、腕時計の機構に詳しいわけではありませんでした。“自動巻き”の存在を初めて知ったときは、電池交換が要らず、自動でぜんまいを巻いてくれるので凄いな~と思っていました。デ・ヴィルは初めての高級時計だったので愛着がわき、10年間はこれ1本を使っていましたね」

 次なる1本もオメガであった。平成29年(2017)に、フラッと新宿を歩いていた時に見つけた、オメガの「スピードマスター CK2998」だった。

 「一目見てかっこいいと思ったのですが、価格は70万円ほど。腕時計に70万円出すなんて、バカだよな~……と思っていったん帰宅したんですが、夜になっても気になっちゃうんですよ。2週間ぐらい悩み、ギリギリ浪費としては許される範囲内じゃないか……と信じ込ませて、購入しましたね」

 自問自答を繰り返して手にしたスピードマスターの所有感は、特別なものだった。1年ほど腕時計を買うことはなく、「もう腕時計はアガリで、これ一筋でいくかな」と思ったという。ところが、思いがけない出来事がヒロユキを襲ったのである。

2本目の高級腕時計にして、2本目のオメガとなったスピードマスター CK2998。深みのある青のベゼルやインダイヤルと、白を基調とした文字盤の均整の取れたデザインが見事だ。出会いはラブコメ漫画のような一目惚れだったという。「クロノグラフの機構なども、当時はぜんぜんわかりませんでした。純粋に時計の“顔”が気にいってしまったんです」と、話すヒロユキ。時計を買うときに、顔が好みかどうかは重要なポイントだ。

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