【漫画】コンプレックスに悩む男女の不思議なラブストーリー 『ショートカットの恋人』に共感の声

ーー風変わりな耳を持つ同士の不思議なラブストーリーを描いた『ショートカットの恋人』が話題を呼びました。創作のきっかけを教えてください。

雉鳥ビュー:元々は商業誌に持ち込みをしていたのですが、担当さんに「短編を描いてみないか」と言われて、この作品はその時に提出したものでした。結局、商業誌に載ることはなかったのですが、掲載に向けて仕上げたのがこの『ショートカットの恋人』です。

ーーTwitterでは自身の悩みを前向きに捉えられたという反響も多くありました。

雉鳥ビュー:実は最初に「コンプレックス」を描こうと思っていたのではなくて、単に「ラブストーリー」を描こうと考えていたんです。そこで2人にしかわからない繋がりのようなものを表現したいと思い、こうした描写に行き着きました。

ーー本作の中で雉鳥ビューさん自身が印象に残っているシーンはありますか?

雉鳥ビュー:物語中で3回くらい風が吹くシーンがあるんですけど、そこをかなり詩的に描きました。2人の耳が繋がるきっかけとラストの、変化するタイミングで入れています。繋がるシーンが抽象的になってしまうので、変化がわかるように入れたんですけど、結果的にそれが爽やかな読み味に繋がってて。そこが個人的には気に入っているポイントです。

ーー雉鳥ビューさんの作品の魅力は不思議な世界観と、読者に解釈を委ねる独特な作風だと感じています。今作を含め、作品はどのようなところから着想を得ているのでしょうか。

雉鳥ビュー:僕は美大のデザイン科出身なんですけど、田名網敬一さんのような前衛的な作品に惹かれていた時期があって。一方で、普通に「エヴァンゲリオン」とか、いわゆる「アニメ」「漫画」みたいなモノも好きなんですよ。おそらく、アートと漫画の両方が好きなので、漫画を描くと自然にこういう作風になってしまうんです。

ーー雉鳥ビューさんは今後どのような漫画を描きたいですか?

雉鳥ビュー:実は現在、あるメディアで連載準備中なんです。内容はSFチックな短編オムニバスで。『ショートカット』の恋人では体の変化で表現したんですけど、次作では愛や恋などの目に見えない現象をSFっぽい少し変わった設定を使って描きたいと思っています。普遍的なことをどう変わった表現で描けるか、そこをもっと追求していきたいです。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「著者」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる