OKAMOTO’S オカモトショウ連載「月刊オカモトショウ」第4回:2021年最大の話題作・藤本タツキ『ルックバック』

「月刊オカモトショウ」第4回:『ルックバック』

ーー最後に本作のお気に入りのシーンを聞かせてください。

ショウ:マンガを描くのをやめようと思ってた藤野が、京本の家に卒業証書を届けにいって、「尊敬してます」と言われて。雨のなか踊りながら家に帰って、ランドセルを下ろして、そのままマンガを描き出す場面なんですけど、あれはたまらないです。「やりたいことがある」とかではなくて、やっちゃう人はやっちゃうんですよ。そういう状態の人が放つエネルギーはすごいし、こっちもアテられちゃうというか。「自分にも人生のなかでこういう日があったし、だからこそ今も音楽を続けてるんだな」ってシンパシーを感じました。

『ルックバック』を読みながら聴きたい名盤をPICK UP!

ザ・フレーミング・リップス
『ヨシミ・バトルズ・ザ・ピンク・ロボッツ』(2012年)

ヨシミ・バトルズ・ザ・ピンク・ロボッツ

ショウ:“ヨシミ”という女の子がピンク色のロボットと戦う」というストーリーを描きいたコンセプチュアルな作品。一説によると“ヨシミ”は日本人のファンがモデルで、彼女の闘病を描いたアルバムだと言われていて。ポップでキャッチーなところもあるんだけど、そのなかに悲しみやダークな部分を内包してる作品です。サイケデリックロックとエレクトロ、打ち込みの混ぜ方も独特で好きですね。

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