『おそ松さん』の人気はなぜ衰えない? 強烈な個性に裏打ちされたコンテンツ力をあらためて分析

あらためて振り返る『おそ松さん』人気の理由

スタイルブックでは、ファッション性が高い企画が満載

 「smart特別編集おそ松さん『6つ子的NEET STYLE BOOK』」はまさに、そんな『おそ松さん』の人気の所以が表れた一冊となっている。

 巻頭では6つ子がファッションのこだわりやテレビアニメ第3期の思い出を語るインタビューが掲載されているが、“らしさ”全開としか言いようのないそれぞれの回答(すべて松原秀によるもの)に、ついニヤリとしてしまう。続く6つ子キャストのインタビューでは、作品に対する深い理解と愛ゆえのイジリやボヤキがダダ洩れているさまが面白い。

 監督・藤田陽一、シリーズ構成・松原秀、第3期からキャラクターデザインをつとめた安彦英二のインタビューや、『おそ松さん』シリーズのファンであるハライチ・岩井勇気と監督・藤田陽一の対談では、第3期での突然の新キャラ登場についての真相や、シリーズを通しての世界観などが語られ、制作陣がいかに肩の力を抜いて「やりたいことをやった」第3期だったのか、改めて実感できる内容となっている。

 「smart」ならではのファッション企画も盛りだくさん。これまでさまざまな企業とのコラボを実現してきた6つ子のコラボイラスト・コレクションをはじめ、プロのスタイリストによる6つ子のコーディネートや『おそ松さん』グッズをインテリアに取り入れたイメージビジュアルも紹介。第1期からファッション性の高さも注目されていた『おそ松さん』だからこそ実現した企画なのだろう。

 そして、「smart」といったら「ちんかめ」も外せない。巻末に掲載された『おそ松さん』の2大アイドル、トト子&橋本にゃー×ちんかめのグラビアがとんでもなく可愛いので(「一言Q&A」で披露される、安定のトト子節もさすが)、ぜひチェックしてほしい。

 なお、先日行われたイベント「フェス松さん'21」にて、『おそ松さん』6周年記念の新作アニメ制作および全国劇場での期間限定公開が発表された。第1弾は2022年、第2弾は2023年を予定しているとのこと。今度はどんな6つ子が見られるのだろうか──予測不能な『おそ松さん』に期待が高まる。

■とみたまい
フリーライター。主に声優、アニメ、特撮などのジャンルにおいて、インタビュー取材を
中心に活動中。Twitter(@maguuuuu)

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