「お弁当にはスパイス」が新常識? スパイス料理研究家・印度カリー子が伝授する”脱マンネリ術”

印度カリー子のスパイス料理を作ってみた

■さばサンド(スパイスフィッシュ)

 いつも焼き魚弁当で気になっていた塩サバの臭みも、ヨーグルトベースのスパイスマリネ液に漬け込むことでグッと和らぐ。今回はメインおかずのスパイスフィッシュを114pのレシピでバゲットに挟み、一魚一菜の「サバサンド」に仕立ててみた。

 上からぎゅっと押してかぶりつくと、サバの脂がジュワッと口の中に押し寄せ、おいしさ100点満点。サバ&カレー味はパンとの相性が抜群。紙にくるめば洗いものいらずなサンドイッチは、忙しいときや面倒な気分の日にも重宝しそう。

■ストロベリークリームチーズマフィン

「実は、ずっとマフィンが苦手でした」と語るカリー子さん。研究に研究を重ねてオリジナルマフィンのレシピに行き着いたそうだ。苦手を好きに変えて楽しむ、という前向きな生き様が見事に具現化されたマフィンの4つのレシピから、ストロベリークリームチーズマフィンを紹介したい。

  かわいい見た目もさることながら、ターメリック入りの黄色い生地がアルカリ性の重曹と反応することでピンク色になる、というアカデミックなスイーツ系マフィンだ。

 焼き上がるにつれて見事なピンク色に変色していく様が、子どもの頃の化学の実験を思い起こさせ、ワクワク感が募る。好奇心を大いにくすぐられた私は、マフィン刑事か? と思うほどオーブンの前に張り込んで、焼成の様子に見入ってしまった。

 「私のマフィンは、型からまあるく盛り上がるくらいの大きさも特徴」とカリー子さんが言う通り、こんもり膨らんだキノコ型の可愛らしいルックスもポイントが高い。思いがけず巡り逢えたこの絶品レシピは今後の定番になりそうだ。

 魔法のスパイス配合の方程式は、ぜひ本で確かめてほしい。

 紹介した主菜はいずれも冷蔵5日・冷凍1ヶ月、副菜は冷蔵1週間、マフィンは冷蔵4日・冷凍1ヶ月と、一度作ってしまえばかなり日持ちする。ほかにも、お弁当向きに汁気少なめで調整されたチキンカレーやココナッツシュリンプ弁当を作ったが、日替わりであれやこれやとお弁当箱に詰めるだけで一週間のランチを楽ちんかつおいしく取り回せた。もうスパイス弁当に、やみつきだ。

 各レシピで使われる基本のスパイスも手に入りやすいものばかり。すでにインド料理作りに明るい人にはレパートリーを増やすため、イチからスパイスカレーを作ってみたい! という人には入門書として、心からおすすめしたい。きっとすぐに、スパイスたちと仲良しになれることだろう。

■書籍情報
『一肉一菜スパイス弁当』
著者:印度カリー子
出版社:世界文化社
発売日:発売中
定価:1,540円(税込)
https://www.amazon.co.jp/dp/4418203214/

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