宮地真緒、屋久島で見せた「最後の裸身」の尊さーーデビュー20周年、深みを増した表現に触れる

 森林で見せる湿っぽいカットのほか、青い空のしたで明るい笑顔を見せたり、ホテルのバスルームやベッドルームで大胆に下着を外したりするカットもあるが、そこには頻繁にグラビア紙面に出ていた頃と変わらない艶やかさと肉体美が光っていて驚く。また、序盤で見せる黒いレースのハイレグ姿は圧巻だ。全体のうち、たった2ページしかない(裏表紙にも使われている)にも関わらず、海の青と肌色のコントラストは、強く記憶に残るインパクトがある。「最後の裸身」と謳われた集大成ともなる写真集ではあるものの、そのギラついた立ち姿に、熱を保った余韻と未来が感じられる。

 ラストは夕暮れの海に佇む宮地真緒を、真っ直ぐに捉えたカットが続いており、ここまで見せてきたリアリティのある生肌が、一気に幻想に包まれたかのような尊さを帯びて現れる。大胆なヌードにも注目だが、屋久島に呼応されて宮地真緒の本質に深く触れられる写真集だと感じた。100ページのなかで過ごす、長く濃密な時間。大きな自然と彼女の肌の馴染みを、しかと見届けてほしい。

■とり
日々グラビアに勇気と希望をもらって生きており、 グラビアを熱くドラマチックに語るのが趣味。 読んだ後に心が豊かになるような文章を心がけています。 好物はカレーとサーモンです。Twitternote

■書籍情報
宮地真緒写真集『逢燦燦(あいさんさん)』
撮影:安藤広樹
定価:本体3,600円+税
出版社:講談社
公式サイト

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