フォーリンラブ・バービーの「性教育に対する主張」とは? 「NO」を言うために必要なこと

フォーリンラブ・バービー、性教育への主張

「NO」を言うためには、「何がリスクなのか知ること」が必要だ。セックスしたときのリスクや避妊の方法について知った上で、初めて「意思」だと認められるべきだと私は思う。正しい情報や知識のない子どものもとには「意思」は存在しない。

こうなったら、女性も今までと違って、自分の性欲やセックスに対して向き合わなければならない。意思決定を男性に任せているだけでは何も進まない。つまり、私たち女性も「YES」と「NO」をはっきり言う訓練をしなくてはならない。

 大切な存在であるからこそ「NO」をきちんと示すこと、「NO」を言うために「何がリスクなのか知ること」がとても重要であるとバービーは説く。大人である私は「何がリスクなのか」きちんと理解できているだろうか。子どもに正しい情報と知識を教えられるだけの「大人」になれているだろうか。バービーの鋭い言葉で自身が揺らぎ始める。

 〈欲望と感情、両方とも、ただ抑えるのはもったいない。〉性を楽しむために、性で後悔しないために、今一度正しい知識について学ぶべきときなのだ。「嫌よ嫌よも好きのうち」という言葉が時代に即していないダサい言葉であることを改めて認識しなければならない。

 本書が刊行された際のインタビューで彼女はこう語っている。

私はこれだけいろいろと失敗してるし、汚い本音も見せてるし、恥ずかしいところも見せてるんだから、あなたも、恥ずかしがらずに、どうぞ悠々とのびのび生きてほしいなというメッセージを込めて書くようになりました。
(好書好日インタビューより/https://book.asahi.com/article/13999604)

 連載を始めてから、彼女のもとにはお悩み相談がたくさん届くようになったという(本書の巻末でもいくつかのお悩みに答えている)。本音を吐き出したことで世の女性たちが共感し、web連載時には280万PVを突破した。バービー自身が泥だと思って吐き出したものが読んでくれた誰かの思いと共鳴した。北海道で産まれた小さな女の子は、今多くの女性たちにとって、大きな「助け」となっている。

■ふじこ
兼業ライター。小説、ノンフィクション、サブカル本を中心に月に十数冊の本を読む。週末はもっぱら読書をするか芸人さんの配信アーカイブを見て過ごす。Twitter:@245pro

■書籍情報
『本音の置き場所』
著者:バービー
出版社:講談社
価格:本体1,300円+税
出版社サイト

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