『HUNTER×HUNTER』屈指の名バトル「ヒソカ対クロロ戦」を徹底考察 ふたりの勝敗を分けたのは?

『H×H』ヒソカ対クロロ戦を徹底考察

 次に大雑把ではあるが、戦いの流れをまとめてみたい。

①クロロが審判を使用して、自分がこの戦いで使用する能力を説明。(※P11-P40)

②クロロが【携帯する他人の運命】で観客を操作してヒソカに攻撃。(※P41-P45)その間、観客席に隠れる。

③クロロが【神の左手悪魔の右手】【番いの破壊者】【人間の証明】で作った人形たちでヒソカを攻撃。(※P47-52)

④人形たちに紛れて、クロロ自らもヒソカに打撃を加える。(※P53-62)

⑤ヒソカ、人形の首を【伸縮自在の愛】で鎖玉状の武器として利用。人形たちを倒していく。クロロは再び観客席に隠れる。(※P63-72)

⑥クロロ、【転校生】と【携帯する他人の運命】で作った偽クロロでヒソカを翻弄。(※P73-85)

⑦クロロの【神の左手悪魔の右手】【番いの破壊者】【人間の証明】で作った200体を超える人形たちがヒソカを襲う。(※P87-103)

⑧クロロ、【番いの破壊者】と【携帯する他人の運命】を使い、ヒソカが鎖玉として使っていた人形の首の【番いの破壊者】を爆破させる。ヒソカ、左手負傷。(※P104-107)

⑨ヒソカ、【伸縮自在の愛】で新たに鎖玉状の人形の首を作成して応戦。二階に逃げようとしていたところを【神の左手悪魔の右手】【番いの破壊者】【人間の証明】で作られた人形が自爆特攻して阻止。(※P108-120)

⑩ヒソカ、【伸縮自在の愛】で天井に逃げようとしたところに、クロロが人形を投擲。(※P121-124)

⑪床に落ちたヒソカに【神の左手悪魔の右手】【番いの破壊者】【人間の証明】で作られた人形が群がり圧迫&爆発。(※P125)

 この一戦は基本的にヒソカの視点で描かれているので、クロロの行動は推測の部分が多いが、大まかにはこういった流れになるだろう。改めて振り返ると、ほぼ全編でクロロが戦いの主導権を握り、ヒソカはクロロが放つ策にその都度対処していた、つまりクロロの計画通りにことが進んだことがわかる。

 ①で能力について説明している最中、クロロはヒソカに「オレはそれに加えて自分に必要な能力を増やす事が出来る」「そして確実に勝てる条件が揃うまで」「待つ…」(※P28)と語っているので、ヒソカを死に追いやった【神の左手悪魔の右手】によるコピー人形の作成→【番いの破壊者】による爆弾人形化→【人間の証明】による人海戦術という戦術は、当初から決め手として考えていたのだろう。

 対決の場所に、ヒソカを知っている人間が大量にいる天空闘技場を選んだのも【神の左手悪魔の右手】と【人間の証明】の使用を前提にしていたことがうかがえる。

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