『美味しんぼ』富井副部長、ダメキャラなのに愛される理由とは? 失態の数々を検証

タイ人女性の前でタイ米を批判

『美味しんぼ(49)』

 タイ日報から来た女性記者の前で「この時代にタイ米なんか食べさせられるなんて災難」「僕らの世代は戦後の食糧難を経験している。細長くて色が悪くて、嫌な匂いがしてパッサパサ」と厳しく批判する。

 さらに「そのまずいことといったらね、本当に情けなかった」「家畜の餌ならともかく、あんなまずいものを人間に食えなんて無理な注文ってもんだよ」とエスカレート。当然、タイ人女性記者は激怒してしまう。

 その記者はタイの政財界に大きな力を持っており、小泉局長から振る舞いを責められた富井副部長は「腹を切ります」と土下座する。結局山岡と栗田ゆう子の活躍でタイ米の美味しい食べ方を徹底的に紹介し、記者は機嫌を直す。そして富井副部長は「申し訳ありませんでした」と謝罪するのだった。(美味しんぼ49巻)

愛される理由は……?

 いずれもかなり失礼な振る舞いをしている富井副部長だが、起こしてしまった不祥事を人のせいにすることはせず、山岡の力を借りながらも、最後は自分できちんと謝罪している。

 そんな責任感の強さや、悪いことを素直に謝る姿勢。大手新聞社の副部長でありながら、どこか危なっかしい言動。そんな彼の生き方が、富井副部長が「愛すべきダメキャラ」として、読者に支持される理由なのかも知れない。

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