デマや流言にはどのように対処すべきか? 荻上チキ『検証 東日本大震災の流言・デマ』に学ぶ

デマや流言にはどのように対処すべきか?

 荻上はそうした現状への対処法を「流言を中和するには、早ければ早いほどいい。流言中和ラグを最小化することで、その影響力もまた最小化することが目指されます。ただし、単に流言を早く否定するだけではダメで、その中和情報をより多くの人に届けなければなりません」(P47)という。そして、噂を広める「うわさ屋」の逆の「検証屋」が必要だという。

 実際、今回のケースでは、WHOのデジタル部門責任者が2月中旬にFacebookやAppleなど情報通信大手の各社と相次いで会合を開き、「科学に基づかない」情報の拡散防止に協力を求めた。また、FacebookやTwitterはWHOとの協議に基づき、新型コロナについて検索するとWHOなどの公的機関が発信する情報が上位にくるように設定。次々にポストされる投稿に対しても、第三者機関のファクトチェックを強化しているという。

 東京は「今後30年で首都直下地震が起きる可能性が80%」と言われている土地だ。備えあれば憂いなし、というのは流言やデマへに対する耐性をつけておくことでもあるだろう。

■土佐有明
ライター。『ミュージック・マガジン』、『レコード・コレクターズ』、『CDジャーナル』、『テレビブロス』、『東京新聞』、『CINRA.NET』、『MARQUEE』、『ラティーナ』などに、音楽評、演劇評、書評を執筆中。大森靖子が好き。ツイッターアカウントは@ariaketosa

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