ドラえもん『週刊少年サンデー』ジャックに見る、漫画雑誌の生き残り戦略

ドラえもん『サンデー』ジャックの意義

“漫画作品そのもの”で勝負

 これは「漫画雑誌が売れなくなった」といわれて久しい昨今、かなり明るい話題の数々だといえるし、一時期マニア系の雑誌で流行った「フィギュアの付録をつけて本誌の売り上げを伸ばす」というような戦略とも違って、あくまでも“漫画作品そのもの”で勝負しているところが潔いと思う。もちろん、こうした1回限りの短編目当てで雑誌を購入した読者が「次号」も手に取るかどうかは疑問が残るところだし、現在の漫画シーンの主流が単行本の売れる長編の連載作だということは重々承知している。だが、それでも手を替え品を替え、長編の連載作の強化と併行して、単発でもいいからいろんな話題性のある企画を立て続けることでしか、これから先の漫画雑誌が生き残る道はないといってもいいのではないだろうか。

■島田一志
1969年生まれ。ライター、編集者。『九龍』元編集長。近年では小学館の『漫画家本』シリーズを企画。著書・共著に『ワルの漫画術』『漫画家、映画を語る。』『マンガの現在地!』などがある。@kazzshi69

■書籍情報
『週刊少年サンデー15号』
価格:291円+税
出版社:小学館
公式サイト

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