ずん飯尾「すぐにスベるから、すぐに初心に戻れる」 初エッセイ『どのみちぺっこり』執筆を語る

ずん飯尾、初のエッセイ執筆について語る

スベって初心に戻る

ーー装丁がとてもお洒落ですね。

飯尾:文字のバランスや表紙のデザインは、編集さんやデザイナーさんがやってくれました。俺にはない感覚です。「こんなのも良くない?」なんて一応提案はしてみたんですが、選ばれず(笑)。でも出来上がったのを見ると、これが正解だなと思います。センスもバランスも良くて気に入っています。

ーーコンプレックスについて書かれていたのが印象的でした。

飯尾:コンプレックスだらけだったんですよ。身長ももうちょっと欲しかったですし、顔のバランスとか、挙げたらきりがないんですけど。ウドとは顔のことで全面戦争したこともあります。どっちが整形で安くブラッド・ピットに近づけるかっていうくだらない争いですけど(笑)。二人ともモテなかったから、かっこいいっていう言葉に非常に敏感です。

ーー芸人さんという職業はコンプレックスと不可分のような気がしますが。

飯尾:芸人はいい世界だなと思いますよ。なんでも材料にできるじゃないですか。お客さんが喜んでくれるなら笑われたっていいんです。セリフを噛んだって笑ってもらえるじゃないですか。噛んでウケたら、それにまたかぶせたりして。あんまりお笑いにこだわりがなくて、最悪パクらなければいいんじゃないかって思っています(笑)。

ーー沢山の番組に出てとても売れているのに、謙虚だなと感じます。

飯尾:いやいや。やすともたまに話すんですけど、ずんには踏ん反り返るほどの実績がないんです。間違って23〜24歳で売れていたら、「自分が時代作りました」なんて言って、今もすごく大柄な態度かもしれませんが、売れない間に「なるほどこうやってコースアウトしていくんだ」とか色々見てきました。それに、ずんは周りにも恵まれていて、すぐそばに関根さんや小堺(一機)さんがいて、タモリさん、(明石家)さんまさん、出川さん、ウッチャンナンチャンさんやさまぁ~ずさん……そういう方々と共演できる機会もありましたから。共演すると「やっぱりすごいな」って思いながら帰路につくんです。それにすぐにスベるから、すぐに初心に戻れるんですよ(笑)。

ーー市民感覚をしっかりお持ちですよね、浮世離れしていないというか。

飯尾:浮世離れたって、ハリウッドスターじゃないんだから(笑)。空港に行ったって「あれ?」って言われるくらいですよ。

東京-名古屋間のおともに

ーーこの書籍はどんな方に読んでもらいたいですか?

飯尾:エッセイなんて品のあるように言ってますけど、中身はおっさんの作文です。だから、ちょっと2時間くらい暇だな、時間あるなって人に読んでもらいたいですね。東京から新幹線に乗って、上手くいけば名古屋までに読み終わるかもしれません。だから駅ナカの書店さんにおいてもらえたら嬉しいですね。

ーー書店さんで実際に売っているところは確認しましたか?

飯尾:それこそ新幹線に乗る前に、品川の本屋さんに寄ってみたんですが、なかなか表紙の緑が見つからなくて、探しているうちに平野ノラちゃんと会って断念してしまいました。Twitterでは呟けるけど、芸人同士で「本出すんですよ」とか「出しました」はちょっと気恥ずかしくて言えないもんですね。

ーー2作目については何か考えていますか?

飯尾:もし書くことができるなら、タイトルは『どのみちぺっこりぺっこり』もっと謝ります(笑)。まだ春菊の美味しさを語っていなかったので、それで2ページくらいは書けそうな気がしています。料理が好きなのでレシピを載せるのも考えたんですが、“醤油軽く一周”とか目分量が多すぎてなかなかレシピに出来ないんですよ(笑)。

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■書籍情報
『どのみちぺっこり』
著:飯尾和樹
発行:PARCO出版
価格:1,400円(税抜き)
<発売中>
https://publishing.parco.jp/books/detail/?id=160

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