QuizKnockを2倍にも3倍にも面白くする本『QuizKnockファンブック』が伝える“学びの楽しさ”

『QuizKnockファンブック』が伝えるもの

 冒頭にて「QuizKnockを2倍にも3倍にも面白くする本」と前述したが、そう感じさせたのが、この本が制作の裏側を映し出している点だ。QuizKnockが伊沢を編集長に据えたライター陣による集団ということが、より浮き彫りになっていく。2019年2月に移転した新オフィスの紹介や、普段は顔出しをしていないライター兼編集部メンバーの紹介、メンバーのタレコミエピソードなど、ファンブックとしてのコンテンツが目白押しの中、筆者の目を引いたのは「QuizKnock 超詳細年表」。そこには2016年からのQuizKnockの軌跡と、年を重ねる毎に増えていくトピックが網羅されているのだが、一緒にWEBのPVとYouTubeチャンネル登録者数の推移、提供動画の公開数も記載されており、編集者または会社員としての視点から見たなんとも生々しい年表になっている。はなおチャンネルのはなお、でんがんを迎えての座談会「はなお×でんがん×伊沢拓司×ふくらP」では、動画プロデューサーとして企画、出演、編集を担当するふくらPが「学びがない動画企画はやらない」と明言しており、ライター陣にもQuizKnockとしてのポリシーが息づいていることが分かるだろう。「ライタークイズ超」、ページ下にある小ネタ要素の「ミニクイズ」と、ファンブック上でも「楽しいから始まる学び」が提示されている。

 筆者がQuizKnockに出会ったのは、今年の春。YouTubeのおすすめ動画にQuizKnockの動画が表示されたのが始まりだった。『QuizKnockファンブック』を読んでいると、幼少期に夢中で解いていた、てのひらサイズの「なぞなぞ豆本キーホルダー」のワクワクを思い出す。2つに通ずるのは、QuizKnockがコンセプトとする「楽しいから始まる学び」。人はいくつになっても、クイズから知ることの楽しさ、喜びを感じられるということを、QuizKnockは教えてくれる。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■書籍情報
『QuizKnockファンブック』
QuizKnock 著
価格:1540円(税込)
出版社:クラーケン

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