Young Marble Giantsの記事・ニュース・画像一覧

無機質なリズム・ボックスとオルガンの音色、淡々と爪弾かれるベースとギター、ふらふらと漂う拙い女性ヴォーカル——極限までギミックを排したミニマルな音世界を繰り広げるヤング・マーブル・ジャイアンツ。ストレンジかつメランコリックなメロディをもつ彼らの曲を聴くと、あまりの虚しさと寂しさに言い知れぬ不安感におそわれる。しかし、それにいったん身を委ねると、妙な温かさと感情の高ぶりに心も身体も揺さぶられるのであった。ネガティヴなポップ感とでもいうのだろうか、心の暗鬱な部分をくすぐられ、麻薬中毒のように深みにはまっていくのだ。
80年に＜ラフ・トレード＞からリリースされた唯一のアルバム『Colossal Youth』は、ポスト・パンク〜ニューウェイヴへの過渡期を如実に映しだした作品であると共に、ネオ・アコースティックの原型としても多くのリスナーに語り継がれている。