Yoko Onoの記事一覧

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一昔前まで、オノ・ヨーコといえばジョンとポールの不仲の原因、ビートルズ解散のきっかけになった……など、ビートル・マニアからすると完全なるヒール(悪役)だった。また、ジョン&ヨーコの作品でも彼女の作品だけは聴きたくない、もしくは飛ばして聴くというファンも多かった。しかし最近では、これまでの過小評価が嘘のように"前衛アーティストの先駆"として再評価が著しい。時代の流れがやっと彼女に追いついたのであろうか?
その生い立ち、ジョンとの活動等は、映画/TV/本などで詳細に語られているので省くが、完全なるソロ・アーティストとしてのデビューは70年。1作目『Yoko Ono/Plastic Ono Band』、2作目『Fly』は、どちらもジョンの『ジョンの魂』『イマジン』と対になっている。彼女はオーネット・コールマンのサックスに匹敵するフリーキーな雄叫びを聴かせ、良くも悪くもその存在を決定付けた。続く3rdの『Approximately Infinite Universe(無限の大宇宙)』(73年)では今までの作風とは打って変わり、ポップな側面を打ち出す。聴きやすさも相まって彼女の作品では一番の人気作。その後も『Feeling the Space』(73年)、ジョンの死を挟んで『It's Alright(I See Rainbows)』(82年)、『Starpeace』(85年)などをリリース。
80年代中頃からプッツリと音沙汰がなくなるが、オルタナティヴの嵐が吹き荒れる95年に突如復活。アルバム『Riging』は、グランジやヒップホップなどを取り入れた斬新なサウンドで、まだまだ現役であることをアピールした秀作だ。
この人の真骨頂は、常に打ち込みなどの"先端の音"に目配せしつつ、ビル・ラズウェルやサーストン・ムーア、トリッキーといった、その時代、その時代の自分と同じ匂いをもったアーティストと交わり常に音を活性化する手腕にある。であるからして、そのメッセージは今も有効だ。

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