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ビッグ・バンド・リーダー兼クラリネット奏者であるウッディ・ハーマン。同じ経歴の持ち主としては、スウィング時代のベニー・グッドマンが筆頭に挙げられるが、彼に負けない人気を保ち、50年もの間活動を続けた長寿リーダーだ。スウィングではなく、バップよりな演奏スタイルで、ビッグ・バンドの音量と勝負するように高音のロング・トーンを多用。元来、温かい音色のクラリネットだが、彼が演奏すると攻撃的な印象さえ受ける。
ハーマンのオーケストラは36年に活動を開始し、“ブルースを演奏する白人バンド”という異名をとる。以降、時代の流れに伴なったサウンドをビッグ・バンドに取り入れながら発展していく。その履歴を簡単にたどると、「ウッドチョッパーズ・ボール」をはじめとするブルース曲の多い36〜43年/バップ調のエキサイティングな演奏の44〜46年/ウエストコースト系白人サックス・セクション、フォー・ブラーザーズを擁し、大人気を博していた47〜49年/そして50年代はハード・バップに傾倒し、70年代には電気楽器も導入した。不断にサウンドとメンバーを変貌させ、活性化させていったのだ。終始変わらないのはキラびやかなブラス・セクション——軽快というか軽薄というか迷うトコロだが、そのパワーはとにかく圧倒的である。また、ニール・ヘフティやジェリー・マリガンといった優秀なアレンジャーも在籍し、白人ビッグ・バンドの代表格として長年に渡って君臨し続けた。
74歳で生涯を閉じるが、その直前まで指揮し続けていたという。ビッグ・バンド界において、東の横綱をカウント・ベイシーとするなら、西の横綱は彼であったといっても過言ではないだろう。

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