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リッチー・ブラックモアの後釜としてディープ・パープルに加入したため、長い間偏見の目で見られ続けることとなったのは、とても残念なことだったと思う。公正な耳で聴けば、当時としては画期的なまでにファンキーなリズム感とトリッキーなフレージングに富んだ、極めて先鋭的なギタリストだったことは明らか。今の耳で聴いても、チャーミングなパッションをもった名演続きだと思う。
パープル解散後はすぐさまソロ活動を開始するも、75年にヘロイン中毒で急死。しかし、かつて在籍したバンドのアルバム、あるいは客演したアルバムはどれも名作ばかりである。ジョー・ウォルシュの後任として参加したジェイムス・ギャングの2作、ジャズ・ドラマーのビリー・コブハムやアルフォンス・ムゾンのソロ・アルバムで聴かれるスペイシーなフレージングはシャープな閃きに満ち満ちたものだし、パープル直前にリリースされたソロ・アルバム『Teaser』ではアメリカ人らしい陽性のポップ感満載と変幻自在の活躍ぶりだった。——つくづく惜しまれる急死である。 (小池清彦)

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