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不世出のホワイト・ソウル(ブルー・アイド・ソウル)・シンガーと謳われたスティーヴ・ウィンウッドは、早熟の天才である。そんな彼の出発点、それがスペンサー・デイヴィス・グループだ。
スティーヴとその実兄マフ・ウィンウッドがスペンサー・デイヴィスに出会ったことによって結成されたこのグループは、64年にデビュー。当時、スティーヴは弱冠16歳であった。そのキャリア初期こそUSのブルース/R&Bのカヴァーを中心に演奏していたが、スティーヴは徐々にその才覚を発揮し始め、歌はもちろん、オルガンやギターなどまでにも食指を伸ばし、八面六臂の活躍を見せた。そして「キープ・オン・ランニング」のヒットを皮切りに「ギミ・サム・ラヴィン」「アイム・ア・マン」などとビッグ・ヒットを量産、彼らは名実ともにトップ・グループへと駆け上っていった。特に、嵐のごとく吹き荒れる暴力的なオルガン・サウンドに乗って、スティーヴがクロいノドを絞るようにして歌う「ギミ・サム・ラヴィン」は圧巻の仕上がり。レーシズム吹き荒ぶUSのラジオ局で黒人と間違われ、放送拒否という憂き目にあったというエピソードも充分に頷ける。
しかし彼のあり余る才能を受け止めるには、スペンサー・デイヴィス・グループでは器が小さすぎた。67年にウィンウッド兄弟が脱退。バンドは新しいシンガーを加入させて存続を図るが、スティーヴ在籍時のような輝きを取り戻すことは二度となかった。

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