The Impressionsの記事一覧

(0件)

天才カーティス・メイフィールドをリーダーとするインプレッションズは、ドゥ・ワップのサウンドをソウル・ミュージックに昇華させることを、いち早く実践したグループだ。カーティスは、ストリートで歌うコーラス・グループからトレンディなインスピレーションを受け、ゴスペルの流れるような旋律に注目し「イッツ・オール・ライト」のような、余分なものをそぎ落としたアレンジの傑作を書き上げた。そして、その後もエレガントで豊かなハーモニーを看板に「ピープル・ゲット・レディ」、「ディス・イズ・マイ・カントリー」などのヒット曲を飛ばしていく。人種差別と平等権を得るための苦難について歌われた曲というのは、内容的にヘヴィになりすぎたり、音楽的クオリティを軽んじたりする傾向になりがちだが、彼らの曲はそういったことを微塵も感じさせないほど素晴らしいものだった。また、カーティスは70年にソロとして輝かしいキャリアをスタートさせるまで、他のアーティストに作品を提供したり、プロデューサーとしても活躍するなどR&B界の実力者となった。
70年以降リーダーを欠いたまま活動を続けていたグループは、革新的ではないにしろ、相変わらず断トツにソウルフルな音楽を聴かせてくれた。インプレッションズは、レイ・チャールズやサム・クック、マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダーらと並んで、R&Bの世界に大いなる遺産を残したといえよう。

「The Impressions」の記事は現在ありません。